

























































































































フォルクスワーゲンの次世代を担うミッドサイズ電動SUV「ID.ティグアン」がワールドプレミア。欧州では10月より先行販売開始
フォルクスワーゲンは2026年10月9日、同社の今後数年間における最重要BEVモデルのひとつとなる新型「ID.ティグアン」のワールドプレミアを行った。この新型車は、これまでに95万台以上が生産されてきた「ID.4」および「ID.5」の後継となる量販ミッドサイズSUVだ。新デザインの採用やインテリアの質感向上に加え、最大600kmの航続距離を実現しており、2027年初頭からガソリン、ディーゼル、ハイブリッド駆動の現行ティグアンと並行して市場投入される予定だ。
【画像122枚】ゴルフIVのメーターが蘇る。遊び心と物理ボタンが復活したVW新型「ID.ティグアン」のディテールを見る
力強いSUVデザインへの進化と、ユーザーの声に応えた「物理ボタン」の復活
ID.ティグアンのエクステリアは、「ピュア・ポジティブ」と呼ばれるデザイン言語によって大きく影響を受けており、従来モデルの柔らかなクロスオーバーデザインから、強い存在感を放つ力強いSUVデザインへと変貌を遂げた。精密なラインと引き締まった造形により、ワンランク上のプレミアムセグメント車両のような外観を獲得しているほか、クラシックなプルスタイルのドアハンドルが復活している点も特徴だ。
インテリアにおいても品質が飛躍的に向上しており、エレガントな照明効果やスタイリッシュな色彩設計によって上質な空間が演出されている。ダッシュボードには、欧州向けフォルクスワーゲン車として初となる12インチの助手席用ディスプレイが設定された。これは10インチのドライバー用デジタルコックピットおよび15インチの中央インフォテインメントディスプレイと組み合わされ、連続したディスプレイ空間を形成する。
助手席用ディスプレイにはプライバシーモードが搭載されており、ドライバーの視界を遮りながら同乗者がBluetoothヘッドフォンを用いてインフォテインメントやゲームを楽しむことができる。
また、ユーザーの要望を反映し、エアコンの基本機能やオーディオの音量調整、マルチファンクションステアリングホイールなどに物理ボタンや直感的なコントローラーが復活採用されたことも大きなトピックといえる。
3つのパワートレインを展開。600kmの航続距離と充実の積載性を高次元で両立
パワートレインは3つのパフォーマンスレベルが用意される。最高出力140kW(190ps)で58kWhバッテリーを搭載した後輪駆動モデル、最高出力210kW(286ps)で77kWhバッテリーを搭載した後輪駆動モデル、そして最高出力220kW(299ps)と77kWhバッテリーを組み合わせた四輪駆動の4MOTIONモデルがラインナップされる。
出力とバッテリー容量によって異なるが、WLTPモードでの航続距離は最大で600kmに達する。日常での使い勝手も高く、58kWhモデルで最大1800kg、77kWhモデルでは最大2000kgの牽引能力を誇る。さらに、フロントフード下には32Lの収納スペース「フランク」が新設され、リアのラゲッジルーム容量も最大534Lを確保している。装備レベルは、トレンド、ライフ、スタイル、Rラインの4種類が設定される。
最新の運転支援システムに同居する、歴代名車へのオマージュとパーソナライズ機能
機能性が追求される一方で、遊び心のある「レトロ」ディスプレイが新たに開発された。ステアリングホイールのボタンでこの機能を起動すると、デジタルコクピットに「ゴルフIV」を模した青と赤のクラシックな計器類が表示され、エネルギーフローを示すパワーディスプレイとして機能する。また、中央の画面でも6種類の歴代モデル(ゴルフI、ゴルフIIカントリー、ゴルフIV、初代ティグアン、レーストゥアレグ、ビートル)から選んでバーチャルガレージに表示させるパーソナライズ機能が初採用されている。
技術面では、アクセルペダルのみで強い減速を行うワンペダルドライブが標準装備されるほか、高速道路での車線変更支援や赤信号での自動停止機能を含む新しいコネクテッド・トラベル・アシストが利用可能だ。利便性の面では、スマートフォンを鍵として使用・共有できるデジタルキーや、車両から電化製品に給電できるV2L用パワーソケットが採用されている。
フォルクスワーゲン・ブランドのトーマス・シェーファーCEOは、この新型車について次のように述べている。
「ティグアンは世界中で最も売れているモデルであり、ID.4とID.5は当社の最も成功した電気自動車の部類に入ります。ID.ティグアンは、これら2つのサクセスストーリーを融合させたものです。ワンランク上の車両の存在感を持つ純粋で自信に満ちたデザイン、直感的な操作性、そしてMEB+による最大600kmの航続距離は、ドイツ製電動SUVの新たなベンチマークとなります。ウォルフスブルク産のティグアンとともに、エムデン産のID.ティグアンは欧州で最強のSUVデュオの一角を担うことになります」
ID.ティグアンの先行販売はドイツをはじめとする欧州各国で10月13日に開始され、価格は4万2695ユーロ(約757万円)からとなっている。
【ル・ボラン編集部より】
ID.Buzzが示したように、フォルクスワーゲンのEVは単なる移動空間を超え、ブランドの歴史と遊び心を継承する器になり得る。新型ID.ティグアンもまた、その系譜にある。特筆すべきは、物理ボタンの復活や歴代モデルを模したレトロディスプレイの採用だ。最先端の電動化技術と、長年培ってきたアナログな操作の安心感。これらを高度に共存させた点に、同社のEV戦略の確かな成熟が見て取れる。実直なエンジニアリングに宿る温もりは、我々クルマ好きの知的好奇心を強く刺激するはずだ。
【画像122枚】ゴルフIVのメーターが蘇る。遊び心と物理ボタンが復活したVW新型「ID.ティグアン」のディテールを見る


