トップモデルに相応しいパフォーマンス
ブリヂストンのプレミアムタイヤ「レグノ」にニューモデルが登場。その新作となる「GR-XII」は高い静粛性と上質な乗り心地が特徴だ。同社の最新フラッグシップタイヤはどんな仕上がりになっているのだろうか?
レグノは、ブリヂストンのフラッグシップタイヤとして1980年代から進化を繰り返している。コンセプトはグレートバランス、タイヤに求められる各種の性能を高次元で調和。そして、2019年3月に新開発のGR-XIIを投入。コア性能である優れた静粛性と乗り心地の快適性に磨きをかけてきた。特に、新品時だけではなく摩耗時の静粛性に着目。新たに、性能低下抑制技術を投入している。実際に、30㎞/hほどで新品と摩耗品を比較したところ、グルーブ(縦溝)内の空気の振動により発生するヒャーッという感じの高周波音が低減。摩耗時に新たなシークレットグルーブが現れ、消音効果のある気室部の形状が維持されるからだ。ただ、新品時でも高周波音は速域により変化する。そこで、高速道路でGR-XIIを履いたメルセデス・ベンツEクラスに試乗。速域が高くても静粛性が損なわれないことが確認できた。
さらに、ザラついた路面でタイヤ構造の振動により発生するゴーッという感じの中・低周波音、いわゆるロードノイズを新開発のノイズ吸収シートⅡにより低減。GR-XIIを履いたクラウンで一般路を走行したところ、ロードノイズが聞こえることはあっても、音量が抑えられ響くこともなかったので耳障りな印象とは無縁でいられた。また、乗り心地の快適性は路面に対するタイヤの接地形状に最適化により向上させている。高速道路で路面の継ぎ目を通過する際にも、振動が伝わっても衝撃の角が削られているように感じるので不快な印象がない。同時に、タイヤ内の空気の振動により発生するパカンという感じの打音が今回の試乗では1度も聞こえなかった。こうしたノイズが乗り心地を損なう一因になるので、それが抑えられたことで走りの上質感が増している。
なお、タイヤのサイドウォール形状も改善し、トレッドには非対称パターンを採用することでブロック剛性を最適化。GR-XIIを履いたフィットで特設コースを走ったところ、正確な操縦性と信頼に足りる安定性が実感できた。新開発のレグノGR-XIIは、車種を問わずグレートバランスが提供されるブリヂストンのフラッグシップにふさわしいタイヤだ。
ブリヂストン・レグノGR-XII
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