まずはインフィニティ車に搭載予定
8月14日、日産は可変圧縮比技術の「VC-T(Variable Compression-Turbocharged)」を採用した世界初の量産対応エンジンを発表した。開発期間に20年以上を要したというこの新型2.0リッター4気筒ガソリンターボエンジンは、ピストン上昇位置を連続的に変えることで圧縮比を8:1から14:1の間で可変制御する。実物は9月のパリ・モーターショーに出展される予定だ。
実質的な圧縮比を変更できるエンジンとしては、吸気バルブが閉じるタイミングを変更して吸気の充填効率を落として圧縮比を下げる、ミラーサイクルを採用したものが有名。この場合、吸気量自体が減るため出力も低下してしまうが、それは必要に応じて過給器を装着することでカバーしている。対する日産のVC-Tエンジンでは、ピストンの上昇位置を上下させて圧縮比を変更しているとのことなので、それが圧縮過程で行なわれるのだとしたら、吸気量は変わらないことになる。
どのような制御でピストンの上昇位置を変更するかはまだ明らかにされていないが、圧縮比は運転状況に応じて自動的に、しかも連続的に可変制御され、燃料消費量とCO2排出量、それに振動と騒音を大幅に低減。なおかつ同等の従来型エンジンに対してより軽く、コンパクトに作られているという。詳細についてはパリ・モーターショー出展時に公開される予定だ。