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ポルシェが耐久レースを戦う新たなハイブリッドレースマシンの開発を承認!

最高出力680hpを発揮するハイブリッドシステムを搭載。車両重量は約1000kg

ポルシェは12月17日、同社取締役会が新たなレギュレーションに基づいたレーシングカー「LMDh」プロトタイプの開発を承認したことを明らかにした。2023年からFIAのWEC(世界耐久選手権)および北米のスポーツカーシリーズ、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権のトップカテゴリーは、LMDh車両で争われることになる見通しだ。

ポルシェはACO/WECとIMSAが新しいハイブリッドプロトタイプカークラスの導入を発表したときから、この決断を表明していた。新しいハイブリッドレーシングカーは車両重量が約1000kgで、最高出力680hpを発揮するハイブリッドシステムが搭載される。

ポルシェAGのオリバー・ブルーメ取締役会会長は、次のように述べている。
「LMDhカテゴリーはル・マンやデイトナ、セブリングにおいて膨大なコストを掛けることなくハイブリッドシステムで総合優勝を争うことができる、ポルシェにとって魅力的なプロジェクトです。耐久レースは我々のブランドにとってDNAの一部です」

同じ車両を用いて世界中で争われる耐久レースのトップカテゴリーへ参戦が可能となるのは、この20年間で初めてのこと。新しいLMDhカテゴリー車両は、アップグレードしたLMP2クラスシャシーの採用やコントロールユニットを含むハイブリッドシステムのスペックをレギュレーションで統一するなど、コストの効率化に焦点を当てている。シャシーは4つのマニュファクチュアラーによって供給され、エンジンコンセプトとボディデザインはレギュレーション内であれば参戦するメーカーが自由に選択することができる。

ポルシェAG研究開発部門の役員であるミヒャエル・シュタイナー氏は、次のようにコメントしている。
「中期的にポルシェはフル電動システム、効率に優れたプラグインハイブリッド、そしてエモーショナルな内燃エンジンと3つのドライブトレイン戦略に取り組んでいます。これは市販車とモータースポーツにおいても同様です。フル電動コンセプトは環境に対する我々のコミットメントの一環としてFIAフォーミュラEを、効率的かつエモーショナルな内燃エンジンではGTカテゴリーを戦っています。ここにLMDhクラスが加わることで2つのカテゴリーのギャップを埋めることができます。ポルシェが多くの市販車に採用している、パワフルなハイブリッドドライブによる戦いが繰り広げられるのです。合成燃料の使用が可能なレギュレーションは、サステナビリティの観点からも魅力的です」

一方、モータースポーツ部門の責任者を務めるフリッツ・エンツィンガー氏のコメントはこうだ。
「我々が提示したモータースポーツ戦略に絶大なる信頼を示してくれた経営陣に感謝します。ル・マン24時間レースでの総合優勝19回という記録に加え、ポルシェはアメリカの大きなレースでも何度も表彰台に上がっています。こういった伝統をLMDh車両でもコスト管理をしながら続けていきたいと思います。他にも多くのマニュファクチャラ―がこのカテゴリーに興味を示しています。1980年代や1990年代と同様に、多くのライバルと激しい戦いを繰り広げることが、モータースポーツへの大きな後押しになることでしょう」

ポルシェモータースポーツは高性能ハイブリッドパワートレインで多くの成功を収めている。2010年と2011年には革新的な「911GT3 Rハイブリッド」が、ニュルブルクリンク北コースにおいて新たなベンチマークを打ち立てた。当時、ハイブリッドドライブを搭載したライバルは不在だった。

2014年から2017年には、最高の効率と性能を兼ね備えたハイブリッドシステムに関する知見を919ハイブリッドでさらに深めた。WECのLMP1クラスでは伝統あるル・マン24時間レースで3連勝を達成し、マニュファクチュアラーおよびドライバー選手権でも3年連続で王座に輝いている。

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