海外試乗

【フロントライン】「フォルクスワーゲン・ゴルフ・オールトラック」2代目はオフロード性能が向上

VWらしい実用性に遊び心をプラス

フォルクスワーゲン(VW)はゴルフVIIIをベースにした2台のワゴンボディを追加した。ゴルフ・ヴァリアントそしてオールトラックである。

ハッチバック同様、フルデジタルのコクピットおよびダッシュボードのタッチスクリーンからなるデジタルHMIを採用している。

前者は特にドイツのファミリー層に人気の高いスタンダードワゴンで、後者は先代のゴルフVIIから追加された派生モデルだったが、2世代目からは4モーションの4WDシステムを標準装備、さらにボディにも独自のトリムが与えられて独立したモデルとなっている。

VW本社周辺で開催された試乗会に用意されたオールトラックは、クリアグレーのボディに、ホイールアーチ、サイドシル、そして前後のスカート下部まで、ボディを一周するブラックのプラスチックプロテクターがコントラストになってタフな印象。またエンジンルーム下部はアンダーガードが装着され、オフロード走行に備えている。トリムは「Rライン」で、フロントスカートの左右にはGTIと同じ5灯フォグランプがレイアウトされ、スポーティな雰囲気も併せ持っている。もちろんヘッドライトおよびリアコンビライトはLEDがスタンダード、オプションで22個のLEDがカメラと連携して、対向車の幻惑を防止しながら夜間の視界を確保するIQライトが選択可能である。

エンジンは、最高出力200ps、最大トルク400Nmの2L TDIで、2021年に施行される欧州の排気ガス規制EURO6d-ISCFCM をクリアする。

ボディサイズは全長4633mm×全幅1789mm×全高1455mmで、容量は通常時611L~最大1642Lとラゲッジスペースの広さも特徴だ。
試乗車に搭載されていたエンジンは「GTD」にも採用されている最高出力200ps、最大トルク400Nmの2L TDIで、7速DSGとの組み合わせにより、トルクフルなディーゼルならではの力強い走りを見せてくれた。コーナーの続く道路では確かに若干のロールを許すが、ハンドリングはスポーティで、一般的なドライブでは十分なスタビリティは確保されている。

ラゲッジスペースは、歴代ゴルフのワゴン同様使い勝手のよいスクエアな形状で、通常時611L~最大1642Lの容量が確保される。

オールトラックにはオフロード専用のドライブプログラムも用意されており、今回は本格的な悪路走行はできなかったが、未舗装のルートではシフトタイミングやスロットルのやや緩慢な反応、そしてESPのソフトな介入などが確認できた。
新しいVWゴルフ・オールトラックはセダンとSUVの間に立つ文字通りのクロスオーバーモデルで、都会的かつ洗練されたライフスタイルを望むオーナーには最適な選択だと思う。

ワゴンのスタイリッシュさと高い実用性はそのままに、悪路走破性も向上しているオールトラックは、レジャーに大活躍しそうだ。

リポート=キムラ・オフィス/Kimura Office ルボラン2021年1月号より転載
LE VOLANT web編集部

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