なんと減速用パラシュートまで搭載!
9月19日、フォルクスワーゲンは、標準では210ps/280Nmを発生する2.0リッター直4TSIエンジンを550ps/571Nmにまで強化し搭載した「フォルクスワーゲン・ビートルLSR」が、米ユタ州ボンネビルのソルトフラッツで最高速度328.159km/hを記録したと発表した。
ビートルLSRのエンジンはTHRマニュファクチャリングによって製造され、ターボチャージャーやピストン、カムシャフト、コンロッドを交換した上でシリンダーヘッドも加工。エンジン単体での出力は600ps以上/678Nm程度に達するという。
300km/hを軽く超える動力性能に対応するためシャシーにも手が加えられており、ソルトフラッツで有効にグリップを確保する特殊なタイヤ、トラクションを高めるリミテッドスリップデフなどを追加。ロールケージやレーシングシート/ハーネス、発火防止装置などの安全装備や、減速時に使用するパラシュート2本も装備されている。
ステアリングを握った『Automobile』誌で編集に携わるプレストン・ラーナー氏は、「ビートルLSRでの320km/h突破は本当にスリリングな体験でした。パワー的には、路面状態が悪くなければ200mph(約322km/h)オーバーを達成できることはわかっていましたが、デジタルスピードメーターで208マイル(約335km/h)をこの目で実際に確認したときのことは、決して忘れることはないでしょうね」と語った。
また、今回の挑戦に対し、フォルクスワーゲン・オブ・アメリカのヘンドリック・ムース上級副社長は、「空力的には良好といえないビートルLSRでの記録達成だけに、とても興奮しています。EA888型2.0リッターTSI直4エンジンのポテンシャルとともに、ビートルが備え持つスポーティさを証明できました」とコメント。市販仕様のEA888型エンジンは、現在、ゴルフRに搭載されている300ps仕様が最強だが、まだまだ余力はたっぷりと残っているようだ。