Garage Life

敷地4,800坪、クルマ100台以上! VWファクトリーなのに「911ガレージ」という謎のガレージに潜入【ガレージライフ】

ストックヤードには、世界各国から輸入された100台以上のクルマがメンテを待つ「クルマの病院」

バンコク市内からクルマで約60分、約4,800坪という広大な敷地にあるのが、空冷VWをはじめミニやメルセデス・ベンツといったクラシックカーを販売、修理、レストアをする「911ガレージ」だ。ちなみに、この店はポルシェの専門店ではない。ショップを営むトン氏とナン夫妻に911の名前の由来を聞くと9、11はこの地区の住所のこと。その2つを足しての911というネーミングとなったそうだ。

広大な敷地を持つショップのストックヤードには、世界各国から輸入された100 台以上のクルマたちが、ボディワークを待っている。スタッフの賃金が安いタイ王国では、クルマはすべて修理して乗ることが常識であり、輸入においてはクルマそのものをパーツとして輸入したほうが税金が安いのだそうだ。エンジンのメンテナンス、修理ができる工場やパーツ販売の部門も敷地内に併設している。

センターにあるRC造の建物は、元々住宅だったそうだがショップへとリノベーション。その作業は、約20人いるスタッフが行ったそうで、柱だけを残しスケルトンとしハンドメイトで壁面を増強。ドアを造作することで、現在のショップのようなレイアウトとなった。

当初はレストランの開業も目指していたが、自動車の仕事が多忙となりレストランの開業は断念しているという。また、イギリスのスクーター・メーカーScomadiの販売代理権も獲得し、バイクの販売も手がけているとのこと。このScomadi は2005年に誕生したイギリスのメーカーで、レトロスタイルのスクーターが人気。タイ王国においてはバイク人口が多く、ここでは125ccエンジンを搭載したスクーターを新車で販売している。

世界19か国で販売されているこのスクーターは、全てタイ王国で生産。タイ王国での販売の権利を911ガレージが取得しているのだという。なんでも、国内には24店舗の販売拠点があるそうで、レトロなスクーターと、クラシックカーとの相性もよく、クラシックカーオーナーのついで買いも多いそうだ。

このショップの敷地には、従業員や仲間の住まいもあるということで仲が良く、スタッフで世界のVWをはじめとしたイベントに足を運び、自ら情報収集をしてお客さんたちに最新情報を届けている。オーナーのトン氏は、15歳のときからVW たちに囲まれて仕事することが夢だったということ。現在も広告は一切しておらず、口コミだけでクルマを販売しているのだそうだ。

将来はビルを敷地内に建築して、そのなかでいろいろな機能を統合することが目標。今は敷地が広すぎて、移動の時間がロスにつながっており、スタッフの移動時間を減らしたいのが悩みだそうだ。

『Garage Life vol.74』より転載

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