台風被害から思いきってガレージハウス新築を実行に。メインとサブ、二つのガレージがある家
3年ほど前、それまで乗っていたモダンなアメリカンマッスルカーから、憧れていたヴィンテージアメリカンカーに乗り換えたYさん。それと時を同じくして、新たなガレージハウスを建てることになる。イメージしたのは、ヴィンテージアメリカンが似合う工場跡のようなインダストリアルな雰囲気や、納屋のようなバーンスタイルを用いたガレージだった。
ヴィンテージアメリカンだけでなく、モダンアメリカンも楽しめるガレージ。
“運命の巡り合わせ”みたいなものを取り立てて信じるほうではないが、ここで紹介するYさんのガレージを取材することになるまでの話を少しすることから始めよう。
5年ほど前に行った別のガレージ取材現場に、Yさんは来ていた。取材後、私もアメリカンガレージライフを楽しんでいます、というYさんに、後日ガレージの写真をメールしてもらっていたのだが、取材には伺わうには至らなかった。しかしそれから年月が経ち、ガレージドアブランドである「レムコ」から、とあるアメリカンガレージにドアを取り付けたという話をされ、よくよく聞いてみると、Yさんのガレージだということに繋がったのだ。
しかも以前お送りされていたガレージではなく、新たにガレージハウスを建てたということ。これも何かの縁かもしれない。私はそう考えYさんの新築ガレージハウスを訪ねることにした。
久しぶりの再会となるYさんから、ガレージハウスを新築するに至った経緯を教えてもらう。
「この場所にはもともと両親の家が建っていました。築40年となってガタがきていたこともあり、いずれどうにかしなければならないと思っていたところに一昨年前の台風で壁が落ちてしまい、それが決め手となってガレージハウスを建てることになりました」とYさん。
建屋の外観は、かなり独特な形状をしている。道に面した部分に横に2台置けるメインガレージ、家の前のカースペースの奥には縦に2台収まるサブガレージが設けられている。
【写真24枚】とにかくアメリカン! こだわり抜いたガレージハウス誕生。
住まいは工場跡をイメージさせるインダストリアルな雰囲気でまとめる。
「レムコ」のガレージドアが設置されたメインガレージには、’57年式ベルエアと’60年式F100というヴィンテージモデルが収まる。OSB合板を用いた壁面にはサインプレートなどでデコレーションされ、ペプシの業務用冷蔵庫やロッカーなどリアルヴィンテージアメリカンスタイルでまとめられている。
以前お会いした際には、2000年代のモダンなシェルビーに乗られていた記憶があったので、正直この組み合わせには驚かされた。そしてサブガレージには300Cとヴィンテージハーレーが収められており、こちらのガレージは室内から直接行き来ができる上に、大きなフィックス窓も設置されてガレージ内を眺めることができるようになっている。
「3年ほど前、以前からほしかったベルエアを知人のつてで譲ってもらうことができました。その当時から新しいガレージを建てたいという気持ちがあったんです。ヴィンテージモデルに似合うようバーンスタイルのガレージと、住まい部分は工場跡のようなインダストリアルな雰囲気でまとめています」とYさん。おおまかな設計は自身で行い、その詰めと施工を、地元の「丸義製材」にお願いしたという。
近い将来、ガレージにはC5型のコルベットコンバーチブルが追加されることになっている、と話すYさん。アメ車ライフを満喫できるガレージを上手く作り上げることができた。
◆Planning Data
施主/家族:Yさん/ご夫婦、次男
所在地:岐阜県
竣 工:2019年9月
ガレージ部面積:各約40平米
構 造:木造在来工法
外装仕上げ/内装仕上げ:大波ガルバリウム鋼板、漆喰/OSB合板、漆喰、クロス
愛車:
1957年式 シボレー・ベルエア
1960年式 フォード・F100
2008年式 クライスラー・300Cツーリング
◆Owner’s check
・我が家のここがお気に入り
一つひとつオーダーで作ってもらった建具や、レムコ製のオーバードアなど。
・ちょっと失敗
特にありません。
・これらからの夢
ガレージをはじめ少しずつリアルビンテージアイテムで飾り付けをしてゆきたいです。
・読者へのアドバイス
コンセントは多い方が便利です。できるだけ数多く設置するとよいでしょう。
◆BUILDER
設計・施工:株式会社 丸義製材 岐阜県山県市東深瀬1421-2
Phone 0581-22-1580 https://maruyoshi-seizai.com/