フォルクスワーゲン

『ル・ボラン』執筆陣オススメ! いま”買い”な ドイツ車ベスト10 第2位:フォルクスワーゲン・ゴルフ

現在日本では、およそ80種類にもおよぶ魅力的なドイツ車が販売されており、エンジンタイプやグレードの違いを含めれば、その選択肢は無限に広がる。そんな中で、実際にどのモデルが一番オススメなのか? と悩まれる方も多いはず。そこで、多くの試乗経験を持つ『ル・ボラン』執筆陣にアンケートを実施。その集計結果により、総合ベスト10を発表! 一番オススメのモデルは果たして!?

いつの時代も賛否両論の存在だが……やっぱりゴルフは裏切らない!

第2位に選出されたのは、8代目となるフォルクスワーゲン・ゴルフ。大幅なデジタル化と、コストの適正化が図られたことで、導入以前は新型への不安の声があったのも事実だが、その仕上がりはクルマの基本をしっかりと押さえた期待以上の出来栄え。そう、ゴルフは期待を裏切らないのだ!

清水和夫氏:「熟成に熟成を重ねたゴルフの進化に拍手!」
特にオススメなモデル「ゴルフ・ヴァリアントeTSI」
ゴルフ8の国際試乗会は2019年に行なわれ、日本導入までには時間がかかった。その間に日本で市販されるモデルが入念に品質チェックされたことは想像できる一方、VWはEVにシフトすると明言していたので「いまさらエンジン車ですか?」という空気が漂っていたことも想像できる。

エンジン車のプラットフォームはMQBと呼ばれるが、その熟成度は増している。派手さはないがとても乗りやすいゴルフに進化していた。個人的に気に入ったのは、1L 3気筒ターボのTSIエンジンとヴァリアントの組み合わせだ。低速からレスポンスが良い3気筒エンジンに不満はなく、48Vのマイルドハイブリッドは、燃費性能よりもむしろドライバビリティに貢献している。これなら4気筒の1.5Lはいらないかもしれない。

ちなみに、ゴルフが採用した48VはBSGと呼ばれ、オルタネーターをモーターとして使い、50Nmのトルクをクランクシャフトを介してタイヤに伝える。また、ディーゼルとホットモデルのGTIもラインナップ。このモデルもかなり魅力的だ。

また、ゴルフはシンプルなスタイリングではあるが、そのフォルムには黄金比があり、遠くからみてもすぐ分かる。これもゴルフが培ってきた多大なる魅力である。

生方 聡氏:「買ったから断言できる本当に良いクルマです!」
特にオススメなモデル「ゴルフeTSIスタイル」
ゴルフ8と呼ばれる最新型が日本に上陸したのは2021年6月のこと。それから遅れること9か月あまり、ゴルフeTSIスタイルを愛車として手に入れた。それまでさんざん広報車をドライブしてきたが、実際に所有すると、あらためてゴルフの凄さを見直すことに。

たとえば燃費性能。eTSIスタイルは気筒休止機能を備えた1.5L直列4気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせているが、高速道路比率が多い私の場合で平均18km/L! 高速で少しペースをセーブすれば25km/Lを簡単に超えてしまう。しかも7速DSGとの組み合わせにより、リニアな加速が楽しめるのが日本のエコカーとは異なるところ。アウトバーン育ちの走行性能もゴルフの魅力のひとつで、高いボディ剛性としなやかに動くサスペンションは高い走行安定性と快適な乗り心地を生み出し、普段使いから長距離ドライブまで心地良さをもたらしてくれる。

扱いやすいボディサイズということもあり、気軽に出かけられるのもうれしいところ。攻めたユーザーインターフェイスだけはいまだに慣れないが、クルマとしての出来はコンパクトカーのベンチマークにふさわしく、乗れば乗るほど「良いクルマを買ったなぁ」と思える一台なのである。

【写真7枚】大幅なデジタル化と、コストの適正化が図られた8代目ゴルフ。 

小沢コージ氏:「大して進化していない!? でも凄いのがゴルフ」
特にオススメなモデル「ゴルフTDI」
昨年8代目となり、内装がショボくなったとかプラットフォームが変わっていないとかいわれている新型ゴルフ。一部は当たってるがそれでもこのクルマ、結構すごい。それはズバリ割り切りとパッケージングと走行性能だ。内装はたしかにゴルフ7よりも一部ショボい。が、ゴルフの内装は初代から大したことはなかった。

それより座り心地がちゃんとしていて、小沢が特に感心したのはリアシートだ。全長4.2m台のコンパクトさで大人5人が前後にキチンと乗れ、380Lの荷室容量を確保しているのはもちろん、リアシートは大人が座った上でヒザ前にコブシが2つ入る。そのスペースを持ちつつリアシートがちゃんとしているクルマは意外と少ない。

たとえばマツダCX-60は座面が若干短めで高さも微妙に低い。しかしゴルフ8は身長176cmの小沢でもひざ下をちゃんと立てられ、なおかつ太もも裏までキッチリホールドされる。移動距離が短ければいいが、100km以上走ってリアシートがラクなのがゴルフだ。

走りは特にディーゼルの力強さがライバルより良好で、直進性、ステアリング保持力、乗り心地もやっぱり凄い。でも実際、ゴルフ7より大して性能は上がってない。が、それは上げなくてもライバルを超えているという証拠でもある。

◆Specification「フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI」
 全長×全幅×全高=4,295×1,790×1,465mm
 ホイールベース=2,620mm
 車両重量=1,430kg
 エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1,984cc
 最高出力=245ps(180kW)/5,000-6,500rpm
 最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1,600-4,300rpm
 トランスミッション=7速DCT
 サスペンション(F:R)=マクファーソンストラット:4リンク
 ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
 タイヤサイズ(F:R)=225/40R18:25/40R18
 車両本体価格(税込)=4,862,000円
 問い合わせ先=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン 0120-993-199

フォト=郡 大二郎 photo : D.Kori
CARSMEET web編集部

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