10万人が熱狂した伝説のレース再び!
岡山国際サーキットで2026年7月20日、「ワールドヘリテージ GC リターンズ 2026(World Haritage GC Returns 2026)」開幕戦となる岡山ラウンドが、”SPEED FESTIVAL 2026”(旧Tipoオーバーヒートミーティング)のプログラムのひとつとして開催された。
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グラチャンレースの誕生と隆盛
レースの様子をお伝えする前に、このシリーズの意義と、その背景について詳しく説明しておこう。話は1960年代に遡る。
1962年、当時の我が国のモータリゼーション興隆を背景とし、日本初となる本格的な国際サーキット「鈴鹿サーキット」が、三重県鈴鹿市に誕生した。翌1963年には、同サーキットにて本格的自動車レース「第1回日本グランプリ自動車レース大会」を開催。モーターレーシングは若者を中心に大きく注目され、現在では考えられないほどの人気を博した。
第3回目からの日本グランプリは開催場所が富士スピードウェイ(1966年完成)になり、レース自体もそれまでの市販車を改造したツーリングカーやスポーツカー主体のものから、本格的なプロトタイプスポーツカーの時代となった。各メーカーが本腰を入れたビッグマシン対決が演じられるようになり、さらに迫力を増したレースに観客は熱狂する。
それが大きく変化したのは、アメリカでの改正大気浄化法、いわゆるマスキー法が制定された1970年。排気ガスは世界的に”悪”とされ、日産がレース活動自粛を発表すると、それにトヨタも続き、日本グランプリは中止となった。そこで、メーカーに頼らない独自の新しいレースとして“グラチャン”が誕生する。翌1971年から富士スピードウェイで開催された、「富士グランチャンピオンレース(GC)」である。
当初の規定は、市販エンジン使用の2座席レーシングカーからグランドツーリングカーまでの混走だったが、1972年からは2Lエンジンまでの2座席レーシングカーでの選手権レースとなり、以降、スポーツカーに特化したレースへと変化していく。
海外製コンストラクターのシャシーに加えて、国内の若いプライベーターや、産声を上げたばかりのコンストラクターによる、創意工夫を凝らした個性的なマシン。そして多くのエンジンチューナーを輩出するなど、日本のモータースポーツを大きく前進させるカテゴリーとなるのだ。
そしてすぐにGCはシリーズ戦がテレビ中継されたこともあり、多くの支持を集め、最盛期には10万人が来場するほどの人気に。約20年という長きに渡った日本のトップカテゴリーレースとなるのであった。
復活・回顧へ、その具体的な動き
その終焉から約30年が経過した2025年初旬、元レースドライバーにして富士グランチャンピオンレース1972年の年間チャンピオンである鮒子田寛氏は、レース好きの仲間たちとの会話で、当時のマシンが複数台、愛好家のもとで現存していることを知る。オーナーたちにもマシンを走らせる場所がないといった悩みがあることを知り、そのための舞台として年間シリーズレースの開催を模索。”一般社団法人GC リターンズ(GCR)”を立ち上げた。
そうした活動に応じて、レース出場に適合したマシンを購入・輸入、あるいは国内にあるマシンのレストアを開始する愛好家まで現れたそうだ。
そして団体設立から半年後の8月には、プレイベントとして「MINI 5 GC Returns 2025」を開催。約20年という長い歴史が存在し、様々な世代のマシンが存在するGCカーであることから、2座席2L時代をジェネレーション(Gen)-1、1座席2L時代をGen-2、1座席3L時代をGen-3とする3つのクラス分けとなった。
シェブロン、マーチ、マナ、MCS(ムーンクラフトスペシャル)、ローラといったグランチャンマシンが並び、現役時代にマシンを駆った長谷見昌弘、見崎清志、寺田陽次郎、桑島正美、関谷正徳、藤井修二といったレジェンドドライバーの諸氏も集合。ピットビル前には早朝から多くのレースファンが駆けつけるという、大盛況のプレイベントとなった。
そして本年度2026年は予定通りに年間3戦が決定し、名称も「ワールドヘリテージ GC リターンズ 2026」と改め、その開幕戦が岡山国際サーキットで行われたという次第である。
往年と変わらぬ熱いレースを展開!
今回はレストアや準備が間に合わずに出場を断念したエントラントもいたため、8台がエントリー。レーシングカーとはいえ、最も新しい車両でもヒストリックカーには変わりない。部品問題など困難も大きいと思うが、次回には間に合わせてもらえたら……と思う。それでも3つのピットに並んだマシンたちを前にすると、やはり本物だけが持つオーラに気分も高まる。
搭載されるエンジンはHART 420、コスワースBDG、BMW M12、コスワースDFV、マツダRE13G、無限MF308と、各世代を代表するレーシングユニットばかりだ。今では見かけなくなったエアスターターの独特の音と接続の儀式によりエンジンに火が入ると、往時さながらの咆哮をあげてコースを疾走するマシンたち。
これらの愛好家たちであるドライバーも、プロはだしの腕前の持ち主ばかりだ。慣熟走行から続いて行われた予選でもタイムを縮めていく。ブレーキポイントを詰めていた久保田敏一選手のKEDシェブロン B19(Gen-1)が、勢い余ってグラベルの餌食になる。ちなみにこのシェブロンは現役当時、北野元選手が乗った個体をレストアしたもの。久保田選手自身も当時、FL500で若き日の中嶋悟氏と競ったベテランでもある。
そう、このGCリターンズの参加ドライバーであるが、元プロのレーシングドライバー藤井修二選手ほか、国内外のレースでも好成績を残しているジェントルマンレーサーも多く、その高いスキルのポジション争いはレース観戦として十分に面白い。
そして決勝レースがいよいよスタート。1周のローリングでのスタートをタイミングよく飛び出したのは、Gen-3の現役当時は長谷見昌弘選手がドライブしたマシン、ローラ87D Mugen MCS9の星野選手。
そしてエンジン不調により予選タイムのなかった久保田克昭選手のワールドヘリテージ ITOHAM ローラT88-50 セルモ 89G(Gen-3 ex.従野孝司車)が最後尾から3番手まで浮上するという怒涛の追い上げには、場内も大いに沸いた。12周のレースの後、ポールポジションの小嶋選手(Classic car.jp TOMEI SPORTS マーチ86B ex.赤池卓車)が首位を取り戻しチェッカー。
このワールドヘリテージ GCリターンズ 2026 第1戦 岡山ラウンドの模様は、Jスポーツにて9月に放送が予定されている。第2戦・筑波ラウンドは10月24、25日、筑波チャレンジクラブマンレース第4戦に併催。興味を持った方は、ぜひ現地に足を運び、ご覧になってはいかがだろうか。
動画で会場の興奮と鮒子田 寛さんからのメッセージをチェック!
なお、ル・ボラン公式YouTubeチャンネルでは、本大会「ワールドヘリテージ GC リターンズ 2026 岡山ラウンド」のイメージ動画を公開中だ。会場の熱気を伝える迫力の映像とともに、GCリターンズを主宰する鮒子田寛氏からの特別なメッセージも収録されている。ぜひご覧いただきたい。























