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【30年前の今日…】実用に徹した姿が頼もしくも可愛らしい!「日産クルー」発売さる【…こんなことがあった】

16年に亘って生産されたオーソドックス・セダン

この記事の公開日は2023年7月8日。今から30年前の今日――すなわち1993年7月8日に発売された名車をご存じであろうか? 日産の営業用セダン、クルーである。

【画像16枚】登場時のクルーをグレード別に見る!

クルーは1993年7月8日、タクシー/教習車用の新規車種として発売された。これは、それまで長らく生産されてきた910型ブルーバードやC32型ローレルの営業用モデルの地位を引き継ぐものである。そのためボディサイズは小型タクシーの枠(全長4.6m未満)にぴったり収まる大きさであり、「ロング・ワイド・ハイルーフ化により、広い視界とゆったりとした室内空間を確保」していた。

最大の特徴とも言えるのは、左右でBピラーの位置をずらし、左側は乗客の乗り降りがしやすいよう後席ドアが長くなっていたことで、その差は50mm。スタイリングは、小さめの縦型テールランプ以外には特に変わったところのないオーソドックスなものだが、プヨッとした面の張りに味わいがある。洗車のしやすさを考慮して、エンブレムの類はラベル式を採用。

構造的にはC32ローレルのフロントセクションにY31セドリック/グロリアのフロアおよびリアセクションを繋いだものとされ、フロントサスペンションはストラット、リアサスペンションは5リンクコイルを採用したFR車となっている。タクシーには操縦性(小回り)や整備性(クラッチ交換のし易さなど)の観点からFRが最適であるとされていたためである。

タクシー用途への配慮となる部分は他にもいくつかあり、例えばボンネットやドアなどボディパネルの一部には、デュラスチールと呼ばれる高防錆鋼板を採用し、耐久性を向上させている。リアバンパーは3分割となっており、リアフェンダー下部には樹脂部品を採用することで単独交換を可能に。さらに、リアウィンドウの取り付けには非接着式のウェザーストリップを使用することで、交換性や補修性にも気が配られている。

搭載されるエンジンは、直列4気筒2L LPG仕様のNA20P(最高出力82ps)と、直列6気筒2.8L ディーゼルのRD28(94ps)の2種類。グレード構成は法人タクシー用のEとE-L、個人タクシー用のGLとGLXの合計4種類だが、EとGLにはディーゼル車の設定がなかった。教習車仕様はEとE-Lだけが設定され、こちらはEにもディーゼル車が設定されている。また、教習車はオーテックジャパン扱いとなっていた。車両本体価格は135万円~213万円(税別)。クルーはこの後、自家用仕様やパトカー仕様の追加、エンジンの改良、装備の向上などを行いつつ、2009年まで生産された。

LE VOLANT web編集部

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