ジャガーが次世代EV「タイプ01」の内装を先行公開
ジャガーは2026年8月12日、次世代を担う新型ラグジュアリー4ドアGTであるEV「タイプ01」のインテリアデザインを初公開した。「劇的な建築美」をテーマに、トラバーチン石の美しさや職人技が光るテキスタイルから着想を得たという革新的なキャビンは、乗る者すべてに特別な体験を提供する。今年2月の厳寒期テストから徐々にその姿を現してきた1000ps超の猛獣は、米国モントレー・カー・ウィークでの新ラッピング車両の公開を経て、10月6日のニューヨークでいよいよ全貌を現す。
【画像14枚】非合理の美学が詰まった内装デザインと、モナコ市街地でのデモラン。次世代GT「タイプ01」のディテールに迫る
前後を貫くセンタースパイン。あえて空間を4等分する大胆なアプローチ
ジャガーが今回公開した資料によると、タイプ01の車内は、コンセプトカーのビジョンをそのまま市販化へと結びつけたようなドラマチックな空間に仕上がっている。最大の特徴は、キャビン全体を前後方向に貫く「センタースパイン(中央の背骨)」である。これにより、車内は4つの独立したパーソナルスペースへと分割されている。
インテリアのカラーパレットはトラバーチン石の時を超えた美しさに影響を受けており、職人による豊かなテキスタイルと相まって、極めて感覚的な体験をもたらす。センタースパインに施された真鍮からインスピレーションを得た仕上げは、ドア上部にも反復してあしらわれ、キャビン全体を貫くこれらのシグネチャーアートピースには、ジャガーの象徴であるリーパー(跳躍するジャガー)が刻まれている。ドライバーを包み込むような低い着座位置は、GTカーにふさわしい安心感と自信を与えるものだ。
エクステリアとの境界をなくす意匠と、視覚的なノイズを削ぎ落としたコクピット
タイプ01は、これまでのテストで1000ps以上の最高出力と1300Nmを超える最大トルクを発揮することが判明している。今年5月には、フォーミュラE世界選手権で培われたジャガーTCSレーシングの直系技術を注ぎ込み、伝統あるモナコ・サーキットの市街地コースでプロトタイプがデモンストレーション走行を披露した。
そうした極限のパフォーマンスを操るコクピットには、インフォテインメント技術がインテリア建築の一部としてシームレスに組み込まれている。スリムなダッシュボードとボンネットを視覚的に融合させる「ストライクスルー」の要素により、エクステリアとインテリアの境界は打ち破られた。また、デジタルインターフェースは必要な時にだけ機能するよう知的に配置されている。特にデジタル表示の「クリアサイト・リアビューディスプレイ」は、ドアミラーと同じ高さとなるフロントガラス基部の中心に配置され、ドライバーの視線移動を最小限に抑えて集中力を高める工夫が凝らされている。
新生ジャガーの哲学を体現。次世代を切り拓くラグジュアリーGTは10月6日に全貌公開
ジャガーのチーフ・インテリアデザイナーであるトーマス・ホールデン氏は次のように語っている。
「私たちの包括的なデザイン哲学は、車両のエクステリアの存在感を、特徴的なインテリア建築へと翻訳するものです。水平基調というインテリアデザインの常識とは対照的に、我々は4つの独立した空間を生み出す建築的ステートメントであるセンタースパインを通じて、そのドラマチックな縦方向の性質を強調しています。本物の素材、オンデマンドのテクノロジー、そして無駄を削ぎ落とした流線型の表面によって、タイプ01は未来のモダン・ラグジュアリーな自動車インテリアを定義する、紛れもないドラマと劇場性を提示します」
また、ジャガーのマネージング・ディレクターであるロウドン・グローバー氏も、次のように自信を覗かせる。
「ジャガー・タイプ01は、私たちの新しいクリエイティブ哲学を踏襲した初の市販車です。どこから見ても紛れもない存在感は、インテリアにおいても変わりません。タイプ01では、走りのフィーリングから、見た目、そして乗る人がどう感じるかまで、すべての旅が特別な出来事になることを目指しました。自信を与えるGTのドライビングポジション、クリーンで洗練されたテクノロジー、そしてドラマチックなスタイリングにより、タイプ01は他に類を見ないインテリアを実現しています」
Cタイプにまで遡る伝統の「タイプ」という名に、ゼロエミッションの「0」、新世代の第一歩を示す「1」を組み合わせたタイプ01は、専用のジャガー・エレクトリック・アーキテクチャー(JEA)を基盤に英国で開発および製造される。新型プロトタイプは、今週末の8月16日に開催されるペブルビーチ・コンクール・デレガンスに向けて、特徴的な新しいラッピングをまとって北米デビューを飾る。今回の発表により、正式なワールドプレミアは2026年10月6日、ニューヨークで行われることが明らかになった。新時代の扉を開く、かつてないラグジュアリー4ドアGTの全貌が明かされる瞬間は、もう目前に迫っている。
【ル・ボラン編集部より】
EVならではの広大なフラットフロアをあえて放棄し、巨大なセンタースパインで空間を4分割する。この一見非合理な設計にこそ、ジャガーの真骨頂が宿る。かつてのXJやFタイプが、高いセンタートンネルでドライバーを包み込んだように、タイプ01は最新のデジタル技術と1000ps超の圧倒的パワーを内包しつつも、極めて古典的でパーソナルなGTカーの精神を継承している。効率化一辺倒のEV市場において、この贅沢な空間構成がもたらす色気と劇場性こそ、英国の名門が放つ次世代への解答といえそうだ。
【画像14枚】非合理の美学が詰まった内装デザインと、モナコ市街地でのデモラン。次世代GT「タイプ01」のディテールに迫る


