モデルカーズ

すこーし違う顔つきをボンネット移植で再現!フジミ製プラモ「ホンダCR-X」を後期SiR化する【モデルカーズ】

VTEC採用の最強モデル

1980年代におけるホンダ随一のライトウェイトスポーツと言えば、やはり初代および二代目CR-Xであろう。後者はフジミから1/24スケールでプラモデルが発売されているが、このキットは前期型しか存在しない。ここでお目にかけているのは、このフジミ製CR-Xをベースに後期型SiRへと改造した作品である。

【画像40枚】バンパーを作り替えただけじゃない!後期CR-Xとその工程を見る

この作例は、自動車模型専門誌「モデルカーズ」294号(2020年)の巻頭特集のために制作されたものである。そのときに併せて掲載された、作者・森山氏による解説を、以下お読みいただこう。

「今回の特集はバブル期の国産車、ということで編集部と相談の上、フジミのサイバーCR-Xを後期SiRに改造してみました。キット自体は久しぶりの制作ですが、後期型への改造の場合、変更された箇所をいかに再現できるかがポイントで、今回はフロントバンパーの加工がメインです。

サイバースポーツこと二代目CR-Xのデビューは1987年9月。シビックの兄弟車・バラードの派生車種として登場した初代に対し、この二代目では独立車種(バラードがインテグラ・セダンへ統合された関係から)となり、ショート・ホイールベースの3ドア・クーペという基本コンセプトはそのままに、後方視界の悪さを払拭するためエクストラウィンドウを採用したことが特徴です。先代に設定のあったアウタースライド・サンルーフのほか、ルーフ一面をチタン皮膜コーティングのUVカットガラスとしたグラストップをオプションで設定したのも大きなポイントでしょう。

ボディサイズを拡大し空力特性を向上、更にサスペンションには、当時ホンダが注力していた4輪ダブルウィッシュボーンを採用。DOHCのSiでは200キロオーバーを達成する(自動車誌でのテスト)一方で、ショート・ホイールベースによる回頭性の高さと切れ味のいいハンドリングでジムカーナでも活躍。エンジンは1.3がラインナップから外れ、新開発の1.5L 4バルブSOHCのCVデュアルキャブを搭載する1.5Xと、1.6Lである改良型ZCを積むSiのラインナップ。

1988年8月のマイナーチェンジでは、4wA.L.B(現在のABS)がオプションとなった以外、機構面での変更はなかったのですが、ボンネット形状が改められSiにあったパワーバルジは廃されています。実はこれは、当時のホンダにとって本命とも言える、世界初の可変バルブタイミング・システム搭載のB16型VTECエンジンの搭載を前提としたものでした。

MCから1年1ヶ月後、インテグラでのVTEC登場から5ヵ月後にあたる1989年9月、CR-XのラインナップにSiRが加わります。160PSという、リッターあたり100馬力の性能をNAで達成、更なる高性能化を果たしました。さらに1年後の1990年9月に再度マイナーチェンジ、SiRにビスカスLSDのオプション設定を追加。そして1990年2月にCR-X デルソルへとモデルチェンジされました。

BEEMAXのシビックからボンネットを移植!
そんな歴代CR-Xの中でも最速な二代目SiR、フジミの前期をベースに後期へ変更するのですが、現在発売されているのはアウタースライド式サンルーフ仕様。グラストップ仕様も発売中とカン違いしていたのですが現在は入手困難のようです(注:この記述は2020年当時の状況についてだが、2023年10月現在においても同様である)。

今回はサンルーフ仕様をベースに、手元にあったグラストップの未使用パーツを合わせて制作しました。実車では標準ルーフの設定もあったため、強度が欲しい方はルーフ部を接着、埋めてしまうのもひとつの方法かと思います。また、サンルーフの場合もガラスではなくスチールパネルですので塗装が必要な事も記述しておきます。

ボディカラーについては、個人的なイメージとして黒の印象が強いためブラックとしたのですが……この色、メタリックと言われているのですが、私が実際に見た実車はどうにもメタリックとは思えなかっため、ソリッドのブラックで塗装していますので、ご了承ください。
今回もデカールの作成をして頂きましたSMP24様に、この場をお借りして御礼申し上げます。今回も至らない点もございますが、皆様の制作のヒントが見つかれば幸いです」

作例制作=森山琢矢/フォト=服部佳洋 modelcars vol.287より再構成のうえ転載

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