2シーターになった効果は空力にも
昨年の「DB11」に続き、今年はその2シーター版たる「ヴァンテージ」がデビューする。このスクープは本拠地である英国ミッドランド地方のゲイドンで撮影されたテスト車の近況。視覚カモフラージュフィルムに覆われてはいるが、カタチはもうほぼ読めるようになった。
基本はDB11と同じだが、先代ヴァンテージ同様に全長/ホイールベースとも短く、よりスポーツカー然としたフォルムになっている。ルーフラインは+2スペースがないぶん滑らかな丸みを感じさせ、Cピラー付近から気流を取り込みリアバンパーの上部スリットから引き抜く空力処理や、テールエンドの小さな衝立スポイラーもDB11と同じ手法だ。
ややボブテイルになったことと、そして恐らくリアシートがないというメリット(リアサス回りの整流が有利)を活かして、リアのディフューザーはより効果の高そうな形状になっているようだ。このあたりはアールアルミの少量生産車ならではの仕事といえる。恐るべき高性能車でありながら、相変わらず大きなウイングを背負わないでエレガントさを守るあたりもアストンらしさか。
ヴァンテージのお約束であるV8はこのモデルからAMG製の4.0リッターV8ツインターボとなり、これでアストンマーティンのラインナップはV8、V12ともモダンな基本設計のエンジンに置き換わるわけだ。ポテンシャルの高さはいうまでもなく、これで将来のモデルを含め盤石の体制が整うといえる。