CARSMEET モデルカー俱楽部

エンジン再現準備完了!タミヤ+フジミで作る「ポルシェ911ターボ」第2回【CARSMEETモデルカー倶楽部】

タミヤ+フジミ プラモデル ポルシェ911ターボ

開口部の幅の違いへの対処がキモ

1ヶ月少々のお待たせとなったが、ポルシェ911ターボの工作企画第2回である。

【画像24枚】ただフードを切り取るだけでは済まない工作の様子を見る!

前回お伝えした通り、今回の作例はタミヤ製1/24スケール・プラモデルをベースに、フジミ製の同スケールキットを組み合わせ、良好なプロポーションとエンジン再現を両立したポルシェ911ターボを作り上げようというものである。異なるメーカーによるボディとシャシーの組み合わせを確定し足周りの調整をした第1回に続き、今回は前後フードの切り離しなど、エンジン/トランクルーム再現の準備を行うわけだが、これについては各画像とそのキャプションをご参照いただきたい。

ここでは、使用するキットについて前回よりすこし詳しくご紹介していこう。今回述べるのは、シャシーやエンジンを使うフジミ製キットの生い立ちである。フジミのこの911ターボがリリースされたのは1985年初夏のことだが、その品名に年式として「’85」とあるのはこれで頷けるだろう。そしてこのキットこそ、1/24スケールのカープラモとしては精密再現を極限まで追求した、フジミ「エンスージアスト モデル」シリーズの第一弾であった。

当時は1/24スケールの国産カーモデルと言えばモーターライズが当たり前で、タミヤのスポーツカーシリーズでも走行可能なキットとフルディスプレイキットが混在していた時期である。フジミのポルシェ911は、当時そのリアルさが好評であったタミヤのプレリュードやメルセデスSEC、あるいはミニ・クーパーSなどのさらに上を行く精密再現を目指したものであったが、それだけでなく、実車の細かな変遷を多数のバリエーション展開でフォローしようというのも、モデラーを唸らせた新機軸だった。

そのバリエーションとは、1985年春の見本市で一斉に発表された10種類で、同年から翌年にかけてそれらが順次発売されていったのである。すなわち、

①911ターボ’85 ②930ターボ’76 ③911カレラ’85 ④911カブリオレ’85 ⑤911タルガ’85 ⑥911カレラ’73 ⑦911Sクーペ’69 ⑧911カレラ’73ラリー ⑨911Rクーペ’67 ⑩911カレラRS3.0 ’74

の全10作だ。当初の予定では1985年中に全種発売する計画だったようだが、前述の通り翌年までかかって、最後のカレラRS ’74が発売されたのは1986年初夏のことだった。むろんこれら全キットを以てしても911の歴史を全てカバーするには程遠いが、このような試み自体、当時珍しいものだったはずである。

後にはエンジンフード裏のフレームや断熱材を再現したり(BMW 6シリーズ)、エンジン内のピストンやクランクシャフトをパーツ化したり(ポルシェ356)と、そのディテールの追求ぶりには鬼気迫るものがあったフジミ「エンスー」だが、やはり最初期のものということもあって、この911の連作はそこまで精緻な作りではない。

またシャシーを全作共用としたため、911Rのホイールベースが短くなかったり、時期によるリアサスペンションアーム形状の違いなどがフォローされていなかったり、という弱点もあった。とは言え、エンジンなどの彫りの深いモールドは今見ても一級品である。

フジミ「エンスー」のあまり知られていないバリエーションとは?
さらなるバリエーションとしてシリーズ11作目に、当初の予告にはなかった911フラットノーズを「スペシャル・ボディー企画」として追加。また911スピードスターもかなり遅れてラインナップに加えられている。この他、エンジンなどのパーツをホワイトメタル製とした「ハイ・ディテールメタル」シリーズ版も、1986年から1987年にかけての冬に発売された。このバージョンに選ばれたのは、911ターボ’85と911カレラ’85、911カレラ・カブリオレ、911カレラ’73、911Sクーペ’69である。

そしてあまり知られていないことだが、この「エンスー」911にはリニューアル版も存在した。これは先述の356同様に、エンジンの中にピストン/コンロッド/クランクシャフトのパーツを内蔵するよう改めた仕様で、おそらく911ターボ・カブリオレと911ターボ・タルガの2種類のみ、1989年ごろの発売だったようだ。後の再販ではこのリニューアル版は登場することがなかったため、その金型がどうなったのかは不明である。

さて、「エンスー」の911をベースに、エンジンやトランク再現を省いた簡易シャシー版が「リアルスポーツカー」シリーズからリリースされ、後には「エンスー」版の再販も同シリーズに組み込まれた。若干ややこしい状況となった訳だが、そうした再販のおかげでそのいくつかが現在も入手容易なのは、ありがたいことである。作例のようにタミヤとの合体に挑むのはもちろん、「エンスー」をそのまま味わうのも面白いものだ。未経験の方はぜひ挑戦してみてほしい。

作例制作・写真:北澤志朗

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