
ハイパワーに合わせてATやサスペンションもチューニング
日産は中東地域向けに開発された新型「パトロールNISMO(ニスモ)」を公開した。これは、高性能モデル開発を得意とするチームが、SUVの力強さとサーキット由来の高い技術を組み合わせて開発したモデルであるという。
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このパトロールNISMOに搭載されるVR35DDTTエンジンは、ニスモ専用チューニングにより最高出力495hp、最大トルク700Nmを発生。日産いわき工場で生産されるこのエンジンには、ニスモ専用の赤いエンジンカバーとスペシャルメタルプレートが装着される。高出力化に合わせて9速ATとパドルシフトもチューニング、直線でも山岳路でもダイレクトな走行感覚が楽しめるとのこと。
また、新設計のフロントバンパーによりブレーキの冷却性性能も高められ、ブレーキディスクの温度を6%低下させることで高負荷走行時にも安定した制動を確保するという。リアの空力ディフューザーは空力性能を高めるデザインとし、高速走行時の安定性とハンドリング向上も狙いとしている。
アイコニックなデザイン
迫力を感じさせるフロントフェイスは、縦と横のラインによって構築されたVモーショングリルと立体的なハニカムメッシュを採用、ラジエーターへの空気流入最適化も担う。フロントバンパー左右に設けられたエアカーテンと、カナード形状のフロントスポイラーは、空気抵抗の低減とともにダウンフォース効果ももたらすとのこと。
延長されたリアスポイラーと、レイヤード・ディフューザー形状のリアバンパーも、風の流れを整流し空気抵抗を低減、バンパー両端のエアスプリッターがボディサイドからの風の流れを理想的に剥離させるという。
インテリアでは、ダッシュボード、シート、ステアリング、ドアパネルをブラック基調としつつ、金属調のフィニッシャーとスエード調の表皮を採用。赤いシートベルトやスタータースイッチ、カーボン調加飾が高性能モデルらしい雰囲気を演出する。
ヘッドレスト部分にNISMOロゴを刺繍したスポーツシートは、本革と赤いスエード調素材の組み合わせで、電動ボルスター調整機能が採用されている。それ以外にも、スポーティ感を演出するアルミ製のアクセルペダルとブレーキペダルなどを採用。
ボディカラーはホワイトパール、グレーメタリック、ブルーメタリック、ブラックパール、そしてNISMOステルスグレーの5色を用意、モノトーンとツートーンの組み合わせで6バリエーションとなる。
高められたドライビング性能
パトロールNISMOは、ニスモの持つモータースポーツの知見を余すところなく反映して開発されたとのことで、チューニングされた電子制御ダンパーは、リアルタイムに減衰力を自動調整、制御の応答性を向上させたことで、鋭いコーナリング性能と砂漠地帯などの高速クルージング時の安定性を両立したという。電子制御パワーステアリングは低速時においては取り回し性を重視して操舵力を軽くし、高速走行時には路面状況を的確に把握、安定感を感じる操舵力に調整するとのこと。
また、高出力化されたエンジンに合わせ、深みと迫力を感じさせるサウンドの専用エキゾーストシステムも採用、室内のアクティブサウンドエンハンスメント(ASE)システムがその効果を高めるという。
ホイールはRAYS社との共同開発による22インチ鍛造アルミホイール。デザインは9スポークで、リム幅をワイド化しつつ軽量化と高い剛性の両立が図られている。グロスブラック仕上げと切削加工、NISMOロゴと相まって、上質感と機能性の両方を演出。また高性能タイヤとの組み合わせで、高速安定性とコーナリング性能にも貢献するとされる。
現在、中東市場ではパトロールと、よりタフさを強調したパトロールPRO-4Xが販売されており、今回モータースポーツ由来のパトロールNISMOが追加されるかたちとなる。中東市場向けと言わず、日本国内にも導入してほしい魅力的なモデルと言えるのではないだろうか。