
ブランドの過去・現在・未来を提示
ベントレーは2025年8月11日から20日にかけて米国で開催されるモントレー・カー・ウィークで、過去、現在、そして未来のモデルを多数展示すると発表した。その多くはこのイベントで初めて披露されるものとなる。
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1930年製の名車にオマージュを捧げた1台
最も注目すべきと言えるベントレー、デザイン・ビジョン・コンセプトの「EXP 15」は、同イベントの期間中8月17日、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスのコンセプトカー展示エリアで一般初公開される。全長5メートルを超えるこのコンセプトカーは、象徴的な直立グリルと「果てしなく」続くボンネット、後方寄りに配置されたキャビンが特徴だが、これは、1930年製のベントレー・スピード6「ガーニー・ナッティング・スポーツマン・クーペ」(通称「ブルー・トレイン」)をインスパイア元としたもの。
この1930年製「ブルー・トレイン」もまた、モントレーでのベントレーのプログラムに初めて参加する。この象徴的な1台はイベント期間中、屋外で見かけられるほか特定の日には、ペブルビーチ・ロッジに隣接して設けられる「ホーム・オブ・ベントレー」内にも展示される予定である。
ベントレー・オリジナルのサーフボードも
ホーム・オブ・ベントレーでは、歴史あるクルー向上で製造された最新モデルの新たな展示や、ベントレーのクラフツマンシップの世界を深く掘り下げる企画、そして顧客がベントレーのデザイナーと共に自身の共同制作に取り組むための専用スペースなどが用意される。以下、それらについて説明しよう。
「ザ・クエイル ア・モータースポーツ・ギャザリング」(クエイル・ロッジで催されるカーショー)では、最新の第4世代コンチネンタルGT、GTC、フライングスパーのコアモデルおよびアズールモデルが、新型ベンテイガ・スピードと共に展示される。これらはすべて米国での一般ショーデビューとなる。
コンチネンタルGTスピードは、新たな「オンブレ」塗装技術を披露する。これは、2つの色を車体の前方から後方にかけてブレンドさせるもので、ベントレーの社内ビスポークおよびコーチビルディング部門であるマリナーを通じて利用可能な、新しいパーソナル・コミッショニング・オプションである。マリナーはまた、新型バトゥール・コンバーチブルも披露するが、これも米国での一般初公開になるとのこと。
最新の第4世代モデルはザ・クエイルで展示されるだけでなく、イベント期間中、顧客やゲストに向けた試乗車も用意。新型コンチネンタルGTとアズールモデルは、ベントレーの新しい高性能ハイブリッド・パワートレインの登場を象徴するものとされる。このパワートレインは4.0L V8エンジンと強力な電気モーターを組み合わせ、最高出力680ps、最大トルク930 Nmを発生。スピードモデルやマリナーモデルと共にこれらの新モデルが登場したことで、ベントレーのラインナップにおける選択肢はさらに広がることとなった。
さらに、ボナムズでのオークションには、ベントレーのウッドショップでコア材の化粧板を用いて製造された、ワンオフのハンドクラフト・ベントレーサーフボードが出品される。その収益は、英国初の適応型サーフィンスクール「サーファビリティUK」に寄付されるという。この団体は、様々なハンディキャップを持つ人々が周囲の環境とつながることや、さらには(希望する人が)世界的なパラサーフィン競技会出場を目指すことも支援している。
最注目の歴史的な1台とは?
最後にもうひとつ、注目すべき1台について述べておこう。ベントレーはヘリテージコレクションから特別な1台をモントレーへと出場させる。1939年に製造されたマークⅤコーニッシュがそれである。
このモデルは、ベントレーが流線型のボディ形状と空気力学の研究を始めた頃に作られたワンオフ車両であるが、第二次世界大戦勃発時にオリジナルのボディは破壊され、シャシーも行方不明となっていた。しかし25年前、このオリジナルのシャシーが発見され、熱心な愛好家チームがオリジナルのマークVの部品と、オリジナルの図面から再現されたコーチワークを用いて、その再生に着手。
これが2018年に社内プロジェクトとなり、2019年のベントレー創立100周年に間に合わせて完成した。以来、このコーニッシュは完全に公認され、1939年当時の登録番号「GRA270」も再び有効になったのである。
モントレー・カー・ウィークは、この車両が英国またはフランス国外に出る初めての機会となる。8月14日のトゥール・デレガンスに参加した後、8月17日にペブルビーチ・コンクール・デレガンスのショーフィールドに登場する予定だ。