
モントレーの後はペンスキー氏の個人コレクションに
2025年8月18日、レース界の重鎮ロジャー・サール・ペンスキー氏が、自身の名を冠したワンオフモデル「ポルシェ963 RSP」のステアリングを初めて握った。ペンスキー氏は言うまでもなく、ポルシェのワークスチーム、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツでもお馴染み、チーム・ペンスキーのオーナーである。
【画像21枚】シルバーのボディも美しく快走する963RSPを見る!
「素晴らしい体験だった」
この特別な車両は、ル・マン24時間レースなどで活躍するポルシェ963プロトタイプをベースに、公道走行を可能にした世界に一台だけのマシンだ。この963 RSPは、ル・マン24時間に先立ってのダイナミックなデビューを皮切りに、オーストリアやグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでも展示された後、米国へと戻ってきた。そして今回、ペンスキー氏自身による初のドライブが実現したものである。
最初の走行は、アトランタにあるポルシェ・エクスペリエンス・センターの南コースで行われ、ペンスキー氏がシェイクダウンと習熟ラップを完了した。これは、ヨーロッパでの走行を終えた車両の機能チェックも兼ねたものでもあった。
その後、より本格的な走行がウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで実施された。同サーキットは、将来的にポルシェ・ドライビング・センターの設置が予定されている場所でもある。フレンズ・オブ・ラグナ・セカ理事のブルース・カネパ氏と、2006年から2008年にかけてペンスキーのためにRSスパイダーを駆ったことでも有名な元ポルシェ・ワークスドライバーのパトリック・ロング氏が、この走行を担当した。
ドライブを終えたペンスキー氏は、「素晴らしい体験だった。ついにステアリングを握ることができた忘れられない瞬間だ」と語った。さらに、「ポルシェとのパートナーシップは60年以上にわたる素晴らしい歴史を築いてきた。この車の創造につながったプログラムの一員であったことを光栄に思う」と述べている。
ロング氏は、「最初は威圧的に見えるが、実際には車が自分の体にフィットするようで、非常にレスポンシブで機敏だ」と評価。また、「ステアリングフィールも視界も素晴らしく、乗り心地もしなやかなので、公道でも上手く走れるだろう」と、その完成度の高さを語った。
917の魂を受け継ぐ公道プロトタイプ
この963 RSPは、WEC(FIA世界耐久選手権)およびIMSAシリーズに参戦するポルシェ963レーシングプロトタイプをベースに、ペンスキー氏個人のために作られた特別なワンオフカーである。ポルシェのSonderwunsch(ゾンダーヴンシュ)部門により内外装に大幅な変更が加えられた。
そのデザインは、50年前に公道を走行したポルシェ917(シャシー30)からインスピレーションを得たもので、ボディカラーも同車と同じマルティニシルバーで塗装されている。インテリアも特注のレザーとアルカンターラで仕上げられた。公道走行に対応するため、ダンパーや車高、エンジンコントロールユニットが調整され、市販燃料での走行が可能となっている。さらにターンシグナル、ウェットウェザータイヤ、ホーンといった保安部品も装備。
この963 RSPは、カリフォルニアで開催されたモントレー・カーウィークで展示された後、ペンスキー氏のプライベートコレクションに収められることになっている。ポルシェ・カーズ・ノースアメリカCEOのティモ・レッシュ氏は、「ロジャーがこの車を初めて運転し、彼のコレクションに加わるのを見るのは、このエキサイティングなプロジェクトにふさわしい締めくくりだ」とコメントした。
【画像21枚】シルバーのボディも美しく快走する963RSPを見る!
-
※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。