マセラティMCプーラとアルファ・ロメオ ジュリア・クアドリフォリオ、カラビニエリへ贈呈
ステランティスは2025年10月27日、ローマのカラビニエリ(イタリア国家憲兵隊)総司令部において、緊急の臓器および血液輸送任務に充てられる新しい車両の贈呈式が開催されたことを発表した。今回納入されたのは、マセラティ「MCPURA(MCプーラ)」とアルファ・ロメオ「ジュリア・クアドリフォリオ」であり、いずれもカラビニエリの機関の制服カラーをまとった仕様である。
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630馬力のV6「ネットゥーノ」搭載、最新スーパーカーが任務に就く
特に注目されるのは、2025年7月にワールドプレミアされたばかりのマセラティMCプーラである。このモデナで製造されたスーパーカーは、マセラティのチェントロ・スティーレ(デザインセンター)によってデザインされたカラビニエリの制服カラーをまとっている。カラビニエリがマセラティの車両を使用するのは、これが初めてのことである。
MCプーラは高性能クーペであり、特許取得済みのプレチャンバー(副燃焼室)技術を採用した最高出力630psを発生するV6ツインターボエンジン「ネットゥーノ」を搭載している。カーボンファイバー製モノコックを採用し、最新世代の技術ソリューションを備え、最も過酷な条件下でも速度と安定性を保証するように設計されている。
1951年から続くアルファ・ロメオとカラビニエリのパートナーシップ
同時に納入されたアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオは、カッシーノで製造されたモデルである。アルファ・ロメオのDNAの象徴である伝説的な「クアドリフォリオ・ヴェルデ」(緑の四つ葉のクローバー)を特徴としている。搭載されるエンジンは520psのV6ツインターボで、機械式セルフロッキング・ディファレンシャル、後輪駆動、スポーツサスペンションを組み合わせ、運用ニーズに応じた安全装備が施されている。両車とも、臓器や血液を迅速かつ安全に輸送するための特別な装備が施されており、医療任務における最大の効率を保証する。
マセラティとは異なり、アルファ・ロメオとカラビニエリのパートナーシップは歴史的なもので、第二次世界大戦後に始まった。その先駆けは1951年の「1900 M “Matta”(マッタ)」であった。その1年後、1900セダンがカラビニエリの用語で緊急対応を意味する最初の「ガッツェーラ(Gazzella)」となり、その直系の子孫が1960年代の「ジュリア」(1963年から1968年に使用)であった。それ以来、「アルフェッタ」、「90」、「75」、「155」、「156」、「159」、そして現在の「ジュリア・クアドリフォリオ」に至るまで、両者の絆は長年にわたり続いている。
「コミュニティへの奉仕」を支えるステランティスとの戦略的連携
これらイタリアの卓越性を象徴するモデルは、高性能、信頼性、安全性を兼ね備え、公共サービスにおけるカラビニエリの運用ニーズに応えるものである。この取り組みは、ステランティスとカラビニエリとの間の戦略的パートナーシップを確認するものであり、繊細で極めて重要な任務のために、技術的に先進的な車両を保証することを目的としている。
贈呈式において、カラビニエリのサルヴァトーレ・ルオンゴ総司令官は、ステランティスCEOらに感謝の意を述べ、この協力関係は「イタリアの自動車の卓越性と、組織の運用効率との間の提携であるだけでなく、コミュニティへの奉仕という目的の真の連携でもあります。これらの車両の運用信頼性は、命を救うための不可欠なツールであり、そして、命を救うということについて言えば、それは組織が追求できる最高の使命であり、コミュニティに提供できる最も崇高な奉仕であるのです」と強調した。
ステランティスのアントニオ・フィローザCEOは、「イタリアの技術とデザインの粋を集めた2台をカラビニエリに提供できることを誇りに思います。アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオとマセラティMCプーラは、性能とスタイルの象徴であるだけでなく、極めて重要な任務において迅速性と安全性を確保するための具体的なツールでもあります。この協力関係は、自動車の卓越性と社会的責任を結びつけるという我々のコミットメントを証明するものです」と述べた。
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