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横浜・山下ふ頭がアートの海に。トヨタが仕掛ける巨大空間「ザ・ムービアム」の没入体験

THE MOVEUM YOKOHAMA
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山口智子氏
山中竹春 横浜市長
THE MOVEUM YOKOHAMA
都倉俊一 文化庁長官
トヨタグループ 豊田章男 会長
山口智子氏
シグリッド・ベルカ駐日オーストリア大使
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1800平方メートルの巨大空間に広がる「世紀末ウィーン」の熱狂

トヨタが新しい試みをスタートさせた。横浜・山下ふ頭にイマーシブ・ミュージアム「THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP(ザ・ムービアム ヨコハマ)」が、2025年12月20日~2026年3月31日の期間限定でオープン。モビリティカンパニーへの変革を急ぐトヨタが、なぜ今、ふ頭の巨大な上屋を舞台に「没入型アート」を提示するのか。その全貌をレポートする。

【画像57枚】音と映像がコラボした新体験!「THE MOVEUM YOKOHAMA」のイマーシブ・ミュージアムの詳細はコチラ

THE MOVEUM YOKOHAMA

黄金の輝きと影の追体験

会場となるのは、横浜港の空気感を色濃く残す山下ふ頭4号上屋。約1800平方メートルという広大な空間は、最新の映像と音響によって、観る者が作品の一部となるイマーシブアートのキャンバスへと変貌を遂げている。

「イマーシブアート」とは、名画やアートを壁や床に投影し、時には光や音、映像などとも組み合わせて、空間全体で作品世界を体験できる新しいアートの鑑賞形式で、メインとなるシアタープログラムのテーマは、激動の世紀末ウィーン芸術を象徴する「美の黄金時代」となっている。展示されるのは、19世紀末のオーストリア・ウィーンを舞台に活躍したグスタフ・クリムトの代表作『接吻』や、その弟子であるエゴン・シーレの『死と乙女』などで、グスタフ・クリムトのパートは、生命、愛、黄金、死といった人間の本質的なテーマを、音楽と色彩、空間デザインが融合した5つのテーマで構成。一方、エゴン・シーレの作品群は独自の緊張と孤独をたたえた表現主義の世界を視覚化し、クリムトに連なる美学の系譜を解き明かしていく。さらに、バックウォールの裏に位置するミラールームの空間では、鏡面によってよりパーソナルな没入体験が可能だ。THE MOVEUM YOKOHAMA

世界の「音」を旅する

スタジオプログラムでは、俳優の山口智子氏がプロデューサーを務める「LISTEN. ONE MOMENT」が公開。これは約10年をかけて26カ国を巡り、未来へ紡ぎたい「音」の宝を映像に収めたプロジェクトの新シリーズで、東西を結んだ騎馬民族のリズムや流浪の民のメロディなど、生きる力を育む「音」を巡る旅を体感できる。THE MOVEUM YOKOHAMA

「e-Palette」が繋ぐ、アートへのプロローグ

一方、トヨタならではの試みとして、会場へのアクセスそのものにも次世代のモビリティ体験が組み込まれており、山下ふ頭バス待合所から会場までの区間を、トヨタのモビリティ「e-Palette(イーパレット)」が運行。また、会期中の16:30から24:00にかけて、フランス出身のアーティスト、マテオ・メッセルヴィによるイルミネーションが会場の外観を彩る。THE MOVEUM YOKOHAMA

12月20日の一般公開に先駆けて、12月18日に行われたメディア向けイベントでは、トヨタグループの豊田章男氏と、俳優の山口智子氏、横浜市長の山中竹春氏、文化庁長官の都倉俊一氏、駐日オーストリア大使のシグリッド・ベルカ氏によるトークセッションを実施。THE MOVEUM YOKOHAMA

この中で、豊田章男氏は「横浜市、地元企業、関係頂いた皆さまのおかげで、THE MOVEUM YOKOHAMAをオープンすることができました。改めて感謝申し上げます。未来の文化作りにおいて大切にしたいことは、ど真ん中に人を置くことです。MOVEには、移動に加えて感動するという意味も含まれております。ここ横浜で世界の文化を体感し、人の心を動かすような器に皆さまと共に育ててまいりたいと思います」とコメント。

トヨタグループ 豊田章男 会長

トヨタグループ 豊田章男 会長

また、「LISTEN. ONE MOMENT」をプロデュースした山口智子氏は、「LISTEN.は2010年に立ち上げたプロジェクトですが、その時に掲げた言葉が『地球を“体感”しよう』でした。とにかく、余計な説明や解説は置いておいて、まず私たちの心と魂と細胞で“体感”する。音文化を追いかけて“体感”すると、生きるパワーを生み出せるんです。そんな世界各地の生きるパワーを生み出されている皆さんを訪ね歩いて、映像に収めてきました」と、『体感』を強調していたのが印象的であった。

山口智子氏

山口智子氏

一方、都倉俊一氏は、「文化や芸術が育つには『人と場所が不可欠』で、日本にはクリエイティブの才能を持った人はたくさんいるが、まだ世界に発信するための場所が足りないんです。山下ふ頭という場所を提供した横浜市と、そこをアートスポットとして活用したトヨタグループに期待している」と語った。

都倉俊一 文化庁長官

都倉俊一 文化庁長官

さらに、山中竹春氏は「横浜のウォーターフロントには、臨港パークから続く約5kmの海岸線がありまして、その終着点がこの山下公園であり、山下ふ頭なんですね。ここを世界に開かれたエリアにしていきたいと思っています。このムービアムは、観光スポットであるとともに、世界水準のアートに子供達が触れる場にもなるでしょう」と、横浜の港湾エリアの活性化に繋がると期待を寄せた。

山中竹春 横浜市長

山中竹春 横浜市長

トークセッションの終盤には、駐日オーストリア大使のシグリッド・ベルカ氏が登壇。「この19~20世紀のウィーンに紛れ込んでしまったかのような、特別な体験ができる場所だと思います。これをご覧になって是非ウィーンに訪れてほしいですね」と、感想を述べた。

シグリッド・ベルカ駐日オーストリア大使

シグリッド・ベルカ駐日オーストリア大使

開催概要
会期:2025年12月20日(土)~ 2026年3月31日(火)
会場:神奈川県横浜市 山下ふ頭4号上屋
入場時間:上映時間の15分前から入場可能(チケット確認後)
公式サイト:https://global.toyota/info/themoveum/
【画像57枚】音と映像がコラボした新体験!「THE MOVEUM YOKOHAMA」のイマーシブ・ミュージアムの詳細はコチラ

LE VOLANT web編集部

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