スタッドレスでもダメ!? チェーン規制が強化
冬になると積雪地域では頻繁にチェーン規制が行なわれるが、最近はスタッドレスタイヤを履いていれば、高速道路や国道などのチェーン規制はクリアできる(通行できる)ことが多くなっている。
一方で国道などの峠道では、豪雪のたびに大型トラックを中心に雪による立ち往生が発生し、’18年2月には国道8号線の福井・石川県の県境で1500台以上のクルマが立ち往生し、約46㎞の区間で3日間にわたり車両が滞留する事態が発生。このときも多くの車両はスタッドレスタイヤを装着してはいたが、短時間で積もる豪雪と低温路面に阻まれ、渋滞停車後に発進できずに立ち往生したと思われる。
こうした事態を防ぐため、国土交通省と警察庁はスタッドレスタイヤ装着車でもチェーン装着を義務づける規制を今冬から開始する。まずは「過去に立ち往生が発生している」、「道路縦断勾配が5%以上」、「チェーン脱着場などの設備がある」という条件下で実施していく考えで、この対象区間はスタッドレスのみでの通行は禁止し、場合によっては罰則も課すとしている。
合わせて総務省の発するLアラートを活用した降雪予測通報、通行止めによる広域迂回要請、出控えの呼びかけなどで立ち往生を防ぐ対策を示している。また、新たなチェーン規制標識の設置、情報板での告知に加え、道路監視カメラの増設、除雪体制の強化なども盛り込む計画を進めている。
急激かつ大量の降雪ではスタッドレスタイヤはもちろん、チェーンを装着しても走行困難となることは多くの雪国のドライバーは知っている。駆動輪をなんとかしても、深いわだちで車体が雪に乗ってしまっては万事休すとなる。そういった場合はチェーン規制が役に立たないことも考えられ、いち早くの通行止め等が有効となることは言うまでもない。
地元の大動脈である国道の通行止めは行政にとって判断が難しいものだが、近年の局地的な豪雪を考えると最も効率的な対策となる。乗用車で出かける場合も豪雪情報には気を配り、不用意な通行は避けるほうが賢明だろう。規制強化は致し方ない面もあるが、ドライバー自身や物流関連企業などが、立ち往生を防ぐ意識を持つことが重要といえそうだ。