日産、三菱とのアライアンスは継続。今後の提携関係が焦点に
カルロス・ゴーン元会長の逮捕により日産自動車は即座に会長の職を解任したが、その後しばらくは様子を見ていたルノーも2019年1月になって会長およびCEO(経営最高責任者)の交代を発表。新会長にジャン・ドミニク・スナール氏、新CEOにティエリー・ボロレ氏が就任し、兼務していたゴーン氏に代わってツートップ体制を敷く形となった。
スナール氏は現在ミシュランのCEOを務めているが、すでにゴーン氏が逮捕される前の2018年2月にはミシュランの次期CEOにフロラン・メネゴー氏が就くことが承認されており、2019年5月の株主総会までスナール氏はルノーとミシュランのCEOを兼任することになる。
スナール氏は1953年生まれの65歳で、フランス企業の財務部門などを経て2012年にミシュランのCEOに就任。フランス政財界の信頼も厚く、ミシュランでも労使調整や工場の効率化推進などで手腕を発揮してきた。ルノーとアライアンスを組む日産自動車と三菱自動車もこの人事に同意する予定で、日産は2019年4月の臨時株主総会で承認する考えだ。
ルノー・日産・三菱アライアンスの2018年のグローバル販売台数は3社合計で前年比1.4%増の1076万6875台となり、フォルクスワーゲン・グループに次ぐ世界2位の座を守った。3社はアライアンスの継続に合意しているが、その提携関係に変化が訪れるのかどうかが今後の焦点となる。ルノーの新たなトップがどんな動きを見せるのか、しばらくは目が離せない状況が続きそうだ。