ジャガーFペースをもとに作られる俊足SUV
クルマ業界でいまいちばん旬なジャンルといえば、いうまでもなくプレミアム・スポーツSUVだ。巨大市場に成長したプレミアムSUVマーケットは、メーカーにとって成長を維持する次の一手として有望なため、現在各社が開発にシノギを削っている。なお、ここでいう「スポーツ」が意味するのものは、より優れた運動性能であり、機敏なドライブフィールのこと。よっていまやSUVも低重心ぶりや高旋回性能、ハイパワーを訴求する時代に突入している。
さて、このスクープ写真はランドローバーがジャガーFペースのプラットフォームで造るレンジローバー・スポーツ・クーペのプロトタイプと目されるもの。つまり超FRスポーツ的なハンドリングキャラクターと、クーペ然としたスタイリッシュで(SUVとしては)軽量なボディの組み合わせで、2017年にはお披露目されるものと予想されている。乱暴な言い方をするならFペースにレンジローバー・スポーツ風のデザインキューを備えた皮を被せたクルマ、といえるだろう。
サイズは既存のレンジローバー・スポーツよりは小さく、イヴォークよりは大きい。競合と比べるとBMW X6よりは小さめで、もっとも近いのはポルシェのマカンあたりだろう。3.0リッターのV6を積んでも2トンに収まるプラットフォームに、ハイエンド版はV8も載せるという戦略で、一気にプレミアムスポーツSUVの頂点をも狙うものと予想される。次第に厳しさを増すフリート全体のエコ性能規制に対応する上でも、より軽量なプラットフォームのモデルを追加することが重要になっているのだ。
現状、あまり期待通りのエコ評価を達成していない少量生産のレンジローバー一族のハイブリッドも、この軽量プラットフォームに組み合わされてようやく捲土重来を期するものと予想される。大市場である北米でのEV比率規制に対応する上でも、この軽量プラットフォームが要になるのだ。
この新しいレンジローバー・スポーツ・クーペが姉妹車のFペースよりセクシーなデザインになるのか? は擬装がとれるまでコメントを差し控えたい。でも「あの」レンジローバー一族のカタチ自体がヘリテイジだとするファンの期待を裏切らないことだけは間違いないだろう。
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Text:Makoto TAKEHIRA Photo:Apollo News Service
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