ID.シリーズの拡充に加えて再生可能エネルギー使用を推進。ニュル最速にもEVマシンで挑戦
次世代電気自動車(EV)「ID.」の2020年発売を予定しているフォルクスワーゲン・グループだが、そのシリーズの拡充が100万トンにおよぶCO2削減効果があると試算。世界最大の自動車メーカーがEV拡充に取り組む重要性を強調している。さらにバッテリーなどのサプライヤーも含め、その原材料の生産にいたるまで再生可能エネルギーの使用を推進。車両走行時の「タンクtoホイール」だけでなく、原材料調達から製造工程も含めた「ウェルtoホイール」でのCO2削減を目指す考えだ。
発電所の電力など公共インフラを使う工業生産において「ウェルtoホイール」でのCO2削減はなかなか難しいが、ドイツ国内のみならず欧州全土に生産および部品供給ネットワークなどを持つフォルクスワーゲンなら、かなりのレベルで理想に近づけることも可能だろう。欧州では2021年にCO2排出規制が強化されるが、それを見据えた動きともいえる。
ニュルブルクリンク北コースのEV最速記録6分45秒90に挑戦することを公表。また、タイムアタックにはブリヂストンタイヤを使用することもアナウンスしている。
そしてフォルクスワーゲンは昨年のパイクスピーク・ヒルクライムで新記録を叩き出して優勝したフォルクスワーゲンID.Rパイクスピークで、ニュルブルクリンク北コース最速記録も更新すべく準備を開始。2019年夏の挑戦を予定しており、サーキットへの適合を進めている。
あらゆる方向からID.ブランド強化を図るフォルクスワーゲン。EVの分野でもリーダーシップを取ることができるのか。そのアグレッシブな動きに注目したい。