
清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number81(SEASON.8):操る楽しさ再確認したEセグ・ドライバーズカーの決定戦
BMW・540i Mスポーツ vs ジャガー・XF ポートフォリオ/Test03:ダブルレーンチェンジ
●テストの「方法」と「狙い」:80km/hでコースに進入、障害物を回避してふたたびもとのレーンに戻るテスト。シャシーの総合性能、ESC(横滑り防止装置)など挙動安定化装置の能力をみる。そして、ドライバーが安心して操作できるかどうかも評価の対象となる。パニックに陥ったドライバーでも正確に操作できなくては、クルマが優れたシャシー性能を持っていても意味がないからだ。
ジャガー XF ポートフォリオ VS BMW 540i M スポーツ(ダブルレーンチェンジ編)
ジャガー XF ポートフォリオ VS BMW 540i M スポーツ(ハイスピードライディング編)
ジャガーの安全装置はコンピュータに任せろという考えではなかった
JAGUAR XF PORTFOLIO
●操縦安定性:★★★★☆
●平均通過速度:73.47km/h(2回平均)
やや緊張してダブルレーンチェンジを行なった。どんな挙動となるのか、コンピュータ制御の働き具合は予測できないからだ。しかし、急ハンドルを切って隣のレーンに入った瞬間に「これこそジャガーだ」と感じだのだ。ノーマルモードでも多少リアがスライドするではないか。少しぐらいのテールスライドはドライバーの責任ですね! と言われている感じだ。スポーツモードではさらにDSCの効きが少なく、テールスライドは多くなる。そう、つまりジャガーの安全装置はドライバーの能力を高めるために存在しているのだ。コンピュータに任せろという考えではなかった。
2車とも、ドライバーの能力に委ねるブレーキ設定が操る楽しさを増幅させる
BMW 540i M SPORT
●操縦安定性:★★★★☆
●平均通過速度:74.26km/h(2回平均)
XFよりもスポーティなサスペンションなので、ロールが少なく、まるでミズスマシのように素早いレーンチェンジが可能だった。一発目のレーンチェンジでは、その進入速度は明らかに速いが、進入ではまだDSCの自動ブレーキが介入していない。だから元のレーンに戻るときに、スピードが乗りすぎてしまい、アンダーステア気味となってしまったのだ。スポーツモードにするとDSCのしきい値は変わり、速い速度で進入できるが、元のレーンに戻るために、アンダーステアを予測してステアリングを早めに操作した。ジャガーと同じくドライバーの能力を必要としている。