清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number84(SEASON.8):Eクラスと互角以上の勝負を披露したV90がメルセデスの優位を脅かす!?
メルセデス・ベンツ E220d ステーションワゴン vs ボルボ V90 T6 AWD インスクリプション/Test02:ウェット旋回ブレーキテスト
●テストの「方法」と「狙い」:ドライ路面からウェット路面に100km/h(±2%)で進入、半径40Rのカーブをフルブレーキングしながら曲がる。路面はハイドロプレーニングよりもウェットグリップが問われる水深5mmに設定。ABSやタイヤを含めたクルマの総合的なブレーキ性能と、シャシーの旋回性能(ラインが外に膨らむクルマは危険)をみる。
メルセデス・ベンツ E220d ステーションワゴン VS ボルボ V90 T6 AWD インスクリプション(ウェット旋回ブレーキ編)
タイヤコンデション
VOLVO V90 T6 AWD INSCRIPTION
ピレリPゼロの255/35R20サイズを前後(フロント7分山/リア8分山)に履く。スポーティなハンドリングを実現するために35扁平の20インチを収めるが、ウェット性能は十分満足できるものだった。
MERCEDES-BENZ E220d STATIONWAGON
ミシュラン・プライマシー3 ZPは前後8分山で、100%BMWと共用で使うランフラットタイヤだ。低転がり、車外通過騒音など、性能要求が厳しくなり、共用も止むなしだがウェット性能は少し悪かった。
タイヤの性能差がテスト結果に反映、コンセプトの違いが明暗を分けた
VOLVO V90 T6 AWD INSCRIPTION
●制動距離:54.5m(★★★★★)
20インチのロープロファイルタイヤを履くV90。タイヤのトレッドサイズ的にはワイドな方がハイドロプレーンは発生しやすいものだが、V90のパフォーマンスは素晴らしかった。多少テスト車両のタイヤは磨耗していたものの、フロントタイヤはハイドロプレーンが発生していない。ステアリングとブレーキを同時に操作してみても、スムーズに理想的なラインをトレースした。ABSはややノイジーに「ガガッ」と作動するが、舵の効きは正確でストッピングパワーもお見事。大きなワゴンボディを確実にライントレースできる実力は、本物だと思った。ABSのロバスト性は信頼できるものだった。
MERCEDES-BENZ E220d STATIONWAGON
●制動距離:53.5m(★★★★)
安全には定評のあるメルセデスなので、ウェット旋回ブレーキテストは安心して実施した。しかし、8分山のタイヤにも関わらず、旋回路に進入した瞬間にハイドロプレーンが発生し、クルマは一台分くらいアウトに膨らんでしまった。ブレーキを踏みながらステアリングを切り込んでも舵の効きが鈍く、調べてみるとメルセデスが採用したプライマシー3 ZPは転がり抵抗を意識して開発されたタイヤとのこと。ウェット性能は多少犠牲になっていたが、ブレーキの制動力は文句のないレベルだった。二回目はいつもと同じようにステアリングを早めに操舵。ABSのロバスト性をチェックしたが、この種目は問題なし。
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