清水和夫のDST

フォルクス ワーゲン・パサート GTEアドバンス vs トヨタ・カムリ G レザーパッケージ、トヨタとVWのミディアムセダンが対峙!【清水和夫のDST】#86-1/4

トヨタ新開発の2.5L直4は今のところ世界一の効率を誇る

新開発の2.5L直4は、マツダのスカイアクティブXにも負けないくらいの高効率なユニットだ。今のところ世界一の効率を誇っており、トヨタは大々的にPRしていないから地味な存在となっているが、コア技術となる急速燃焼はトヨタのガソリンエンジンのデファクトスタンダードとなるだろう。
この先進的エンジンに2モーターのハイブリッドシステムを組み合わせているので、パワートレインでは完全にカムリの勝利と言えそうだが、シャシー性能についてはもう少ししなやかさ(サスペンションとタイヤ)が欲しいと思った。スポーツカーのような運動性能は確かに魅力的に映るが、セダンだけに癒し系の乗り味も大切にして欲しいところだ。

逆にパサートGTEのシャシー性能、特にハンドリング特性は想像以上に好印象だったものの、1モーターのプラグインにはやや不満が残った。大容量バッテリーにフル充電すると、35km前後のEV走行が可能となるが、こまめに充電しないとその御利益に与れない。ちょこちょこ充電するなら、そこに気を取られてハンドリングの良さが希薄になってしまうように感じた。個人的には東京モーターショーで披露されたパサート・ディーゼルに注目している。洗練されたシャシー性能とディーゼルの組み合わせは理想的なセダンとなるかもしれない。

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2018年1月号より転載
CARSMEET web編集部

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