カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!? 』。今回はフランス産ホットハッチで一度は体験したいモデルの筆頭、プジョー106 S16を取り上げます。クリアが剥がれておらずオリジナルを維持した個体は、いつの間にやら遭遇する機会が少なくなりつつあります。そろそろ本気で狙ってみませんか?
プジョー106とは?
1988年に生産を終えたプジョー104の後継として、1991にデビューを飾った106。国内へ正規輸入されたのはスポーティモデルのXSiとS16で3ドアハッチバックのみ。本国では5ドアやディーゼルも用意されていた。シトロエン・サクソとは多くのメカニズムを共有する。
1988年に生産を終えたプジョー104の後継として、1991にデビューを飾った106。国内へ正規輸入されたのはスポーティモデルのXSiとS16で3ドアハッチバックのみ。本国では5ドアやディーゼルも用意されていた。シトロエンAXとは多くのメカニズムを共有する。
19年落ちながらインディゴブルーのペイントは美しいまま

ノーマルの”味”をご存知?:走行距離は10万kmを少し上回るが、ほぼノーマルを維持しておりコンディションも良好だ。素の106S16を味わうにはオススメの個体と言える。インディゴブルーのペイントには艶があり、クリアが剥がれていない点も嬉しい。
全長3.7m以下のボディで車重は1t以下。そこにファインチューンのエンジンを積み3ペダルで操る。そんなコンパクト・ホットハッチに求められる条件を、全て備えた1台が今回取り上げるプジョー106S16だ。本国ではディーゼルなども用意されていたが、日本へ正規輸入されたのは、直列4気筒DOHC16バルブを積むS16と、SOHC8バルブを積むXSiの2モデル。ボディ形状は3ドアハッチバックのみであった。
1999年式と19年落ちながらインディゴブルーのペイントは美しく保たれ、クリアの状態も良好。ほぼノーマルの状態を維持している点も魅力で、”素の良さ”を味わうには最適な個体と言える。この車両を販売するジェイ・エンジン代表の永瀬さんによると、ウェザーストリップやルーフモールなど致命的ではないものの、細かなパーツが近年入手しづらくなっているそうだが、幸い現車はその点は問題なし。
3690×1620×1370mmというボディサイズは、現在の軽規格に対して全長、全幅はひと回り上回るものの全高が抑えられているためむしろ小さく見えるほどだ。もちろん車内はフランス車らしく、実用スペースがしっかりと確保されている。また後席も実用的で、シートバックは分割可倒式を採用する。座面を跳ね上げて倒せば荷室とフラットになるため、大きな荷物も飲み込む。それでいながら、走り出せば4隅の感覚が手に取るようにわかるから不思議だ。
クルマの性能を全て使い切る楽しさを味わえるプジョー106S16
エンジンをかけてクラッチを繋げば、それこそ軽やかにタイヤは転がり始める。当然といえば当然だが、安全性を高めるために肥大化する最新モデルでは、いつのまにか一呼吸の”タメ”がなく滑らかに動き出す感覚は感じられなくなったように思う。プラスαを求めればキリはないが、最適な大きさのボディとピリっとスパイスの効いたエンジンの組み合わせは掛け値なしに運転していて楽しい。使い切れないほどの余裕も良いが、その前にクルマの性能を全て使い切る楽しさを味わえた1台としてプジョー106S16を車歴に刻んでおくのも悪くない。
19年落ちなれど内装はまずまず:シートは前後ともレザーとアルカンターラのコンビで、内装はブラックで統一されている。使用頻度の高い運転席座面のアルカンターラ部分は、致命的ではないが擦れが見られる。タイヤサイズは前後共に185/55R14。ラゲッジスペースは実用的で使い勝手も良い。後席のシートバックは分割可倒式で、座面を跳ね上げればラゲッジとあわせてフラットな収納スペースとなる。
1999 PEUGEOT 106 S16
車両本体価格:420,000円
コンパクトハッチ度 ★★★★
実用度 ★★★
ドロ沼度 ★★★
ゴム類など細かなパーツの供給は減少傾向にあるが、現車は良好な状態を保っているため考えるより先に動くのもアリ。ムリな走りをすれば当然の様にラインは膨らみスピンもする。電子制御に頼らない、プリミティブなドライブの楽しさと魅力を再確認できる1台だ。
【SHOP INFORMATION】
J.ENGINE(ジェイ・エンジン)
住所:埼玉県川口市東領家4-19-8/電話:048-225-5040/営業時間:10:00-18:00/定休日:火曜日(月曜日が祝日の場合は月曜休みで火曜日営業)
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