清水和夫のDST

ライントレース性ではミニJCW、ABSの安定制御で制動距離ではポロGTIに軍配?【清水和夫のDST】#97-3/4

清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)

Number97(SEASON.11):Bセグメントのホットハッチを標榜する、コンパクトスポーツの熾烈な覇権争い

フォルクスワーゲン・ポロGTI vs ミニ・ジョン・クーパー・ワークス/TEST02:ウェット旋回ブレーキテスト

●テストの「方法」と「狙い」:ドライ路面からウェット路面に100km/h(±2%)で進入、半径40Rのカーブをフルブレーキングしながら曲がる。路面はハイドロプレーニングよりもウェットグリップが問われる水深5mmに設定。ABSやタイヤを含めたクルマの総合的なブレーキ性能と、シャシーの旋回性能(ラインが外に膨らむクルマは危険)をみる。

VW ポロ GTI vs MINI ジョンクーパーワークス 3ドアハッチ(ウェット旋回ブレーキ編)

タイヤコンデション

MINI JOHN COOPER WORKS

ランフラットのピレリ・チントゥラートP7を装着し、標準は17インチだが、205/40R18を履くため、310kPaという高い内圧指定だった。FWDのため、フロントタイヤが摩耗していた。

 

VOLKSWAGEN POLO GTI

ウェット路に進入した瞬間にタイヤの接地感が薄くなった。ミシュラン・プライマシー3の溝は残っており、低転がり特性を持つコンパウンドを採用しているのだろう。ドライグリップは秀逸。

ライントレース性ではJCWの勝利。ABSの安定制御で制動距離ではGTI

MINI JOHN COOPER WORKS

●制動距離:58.5m(★★★★☆)

フロントタイヤは少し摩耗がある状態でテストを行なったが、内圧が310kPaと高めのランフラットタイヤを履くため、期待していなかったが、ブレーキとステアリングを同時に操作すると、舵の効きが素晴らしく、40Rのラインに近いところを正確にトレース。58.5mで停止した。進入初期段階で軽くハイドロプレーニング現象は起きたものの、ライントレースは満足できるレベルだった。ステアリングをやや先行させた2回目は、20%くらい制動距離が伸びてしまい、どうもABSが低μ誤判定したようである。雨の日はまずブレーキをしっかりと踏んでから、ステアリングで回避する方がいいだろう。

 

VOLKSWAGEN POLO GTI

●制動距離:54.0m(★★★☆☆)

1回目のテストで、ステアリングとブレーキを同時に操作すると、フロントタイヤが”スッー“とアウト側に持っていかれるような感覚があった。タイヤ溝は十分にあったが、転がり抵抗の低いタイヤを採用しているのか、結果的に初期のライントレース性がやや甘く、終始アンダーステア気味の挙動を示した。最終的に車体はイン側に向き、元のラインに戻ってきたが、トレースの過程ではアンダーステアが目立った。フォルクスワーゲンは、先代のゴルフからブレーキングした際に、絶対にスピンしないようにABSが制御をする。2回目、ステアリングを先行してブレーキを踏んでも、その制御に変わりはなかった。

 

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2019年3月号より転載
LE VOLANT web編集部

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