自動車型録美術館

ルノー8ゴルディーニ/今も脳裏に刻まれているゴルディーニの諸元値【自動車型録美術館】第17回

RENAULT 8 GORDINI/ルノー8ゴルディーニ

本稿の第4回でアルピーヌA110をとりあげた際に少しだけ触れたルノー8ゴルディーニ。かなりお待たせしてしまいました。今回は8ゴルディーニのカタログです。

CG誌上の広告

現在、手許に古いカーグラフィック(以下CG)がありませんのでうろ覚えなのですが、1960年代のCG誌上に掲載されていたルノー8ゴルディーニの広告は、巻末のポルシェ(三和自動車、現在はミツワ自動車)のものとともに強く印象に残っています。

免許取得年齢に達するまで長い時間が残されている身には、ポルシェに対して抱くのが憧れであるのに対し、ゴルディーニは少しだけリアルな夢、といった感じでした。103馬力(S.A.E.)、をはじめとしたゴルディーニの諸元値は、今も脳裏に刻まれているほどです。

路上で遭遇

初めてR8ゴルディーニを見かけたのがいつだったかはっきりとは覚えていないのですが、後ろ姿が特徴的でした。タイヤがハの字になっていたのです。あれは鮮烈でした。おそらく実車を目撃したのが先で、その後にCG誌上の広告にふれたので、記憶が焼き付いたのでしょう。

理想の2台

小学校から中学、高校にかけて、わたしにとって理想の2台はロータス・エランとルノー8ゴルディーニという組み合わせでした。それら2台のカタログを眺めていると、今でも時の経つのを忘れてしまいます。

羊皮の狼ア・ラ・フランセーズ

本稿の第4回アルピーヌA110でも触れましたが、今回紹介しているR8ゴルディーニのカタログはA110の8ページのカタログと同じ厚紙に刷られています。ただしサイズはA110が縦220mm横300mmなのに対しR8はそれぞれ233mmと310mmとひと回り大判です。このようなカタログの些細な事実からも感じられるA110とR8ゴルディーニの関係。カタログにはただ眺める他にも様々な愉しみ方があるように思っています。そして、ふたつのクルマのカタログを並べ頭のなかでゴルディーニにA110のホイールを履かせてみたりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまうのです。カタログはクルマ好きな大人の絵本のようなものです。

これもうろ覚えで恐縮なのですが、1960年代のCG誌で、R8ゴルディーニの広告のすぐ近くにプリンス自動車の広告も掲載されていました。R8ゴルディーニのカタログには縮刷版が存在しています。縦136mm、横185mmという小さな版のもので、通常版とは表紙こそ同じですが、内容は少し異なっています。2代目GT-R(KPGC110)のカタログに縮刷版が用意されたのは、R8の影響ではないかと睨んでいるのです。

こちらはゴルディーニではない、通常の8のカタログ各種。

●サイズ(縦×横)233mm×310mm ●全20ページ

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン469号(2017年7月号)より転載

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