555psの怪物EV「5ターボ3E」が英国初走行へ
ルノーは2026年6月24日、同年7月に英国で開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の出展概要を発表した。今回の目玉は、最高出力555psを誇る新型の電動ミニ・スーパーカー「ルノー5(サンク)ターボ3E」の英国初となる一般向けデモ走行である。ルノーは同車をはじめとする最新の電気自動車とともに、ラリーやF1の歴史を彩った伝説的な名車たちを展示し、世代を超えたパフォーマンスの進化と電動化の未来像を鮮烈にアピールする。
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伝説を再構築した怪物EV「5ターボ3E」
ルノー5ターボ3Eは、アイコン的な競技用車両を電動化時代向けに再構築した限定モデルである。リアに搭載された2基のインホイール電気モーターは4800Nmのトルクを発生し、公道走行可能なルノー車として史上最もパワフルだ。カーボン構造により車重を約1450 kgに抑え、0-62 mph(約0-100km/h)加速は3.5秒未満を誇る。また、800Vシステムにより、わずか15分で15〜80%まで急速充電が可能である。
このミニ・スーパーカーは世界1980台の限定生産で、価格は14万ポンド(約3000万円)からとなっており、現在注文を受け付けている。実際の納車は2027年以降の予定で、今回のグッドウッドでは、大観衆の前でその圧倒的なパフォーマンスを実演するヒルクライムに挑戦する。
新旧の技術が交錯するモータースポーツの歴史
特設スタンドでは、5ターボ3Eの源流でありラリーの伝統を象徴する1985年ツール・ド・コルス優勝車「ルノー5ターボ」を展示する。オリジナルと現代の電動再解釈モデルが対面することで、ルノーを代表する競技用車両とその電動化後継モデルとの間に強力なつながりが生み出される。
さらにF1の名車も登場する。初のターボ搭載F1としてグランプリを制した「ルノーRS10」がヒルクライムを動態走行する一方、スタンドでは2005年にフェルナンド・アロンソを初の王座に導いた「ルノーR25」が静態展示される。R25は鮮やかなブルーとイエローのカラーリングと、V10エンジンの咆哮で今なお愛される伝説のマシンだ。
日常に溶け込む次世代電気自動車の競演
ルノーは身近な次世代電気自動車も多数披露する。「ルノー5 E-Techエレクトリック」や「ルノー4 E-Techエレクトリック」に加え、音声やボタンで開閉できる電動キャンバスルーフを備えた新型「ルノー4 E-Techエレクトリック ‘Plein Sud’(プラン・シュッド)」を展示する。このルーフは開放的なドライブを提供し、閉じた際は高い洗練性を保つ設計である。
また、手頃な都市型EVの未来像を示す「ルノー トゥインゴ E-Techエレクトリック」も初公開される。コンパクトながら最大163マイル(約262km)のWLTP航続距離を確保し、ワンペダルドライブやGoogleビルトインの機能を搭載する。2万ポンド(約420万円)未満の目標価格で、アクセシブルな電動モビリティの可能性を提示する。
壮大な舞台で実演されるパフォーマンス
イベントでのヒルクライム走行は、高性能車のエンジニアリングやシャシー開発に深い経歴を持つ、経験豊かなルノーの開発・テストドライバーであるアルテュール・フェリエールとダヴィッド・プラシュの2名が担当する。
2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、7月9日から12日までウェスト・サセックス州のグッドウッド・ハウスで開催される。ルノーは歴史と未来を融合させたこのショーケースを通じ、乗る人の生活を豊かにする「生活のためのクルマ」の哲学を世界に向けて発信していく。
【ル・ボラン編集部より】
ルノー5ターボといえば、実用ハッチバックの後席にエンジンを押し込んだ狂気の産物である。その血統を受け継ぐ「5ターボ3E」は、555psという暴力的な出力と、EVならではの無機質な静寂性という相容れない要素を高次元で成立させた。環境性能にとらわれがちな電動化時代にあって、圧倒的なトルクをあえて“野獣の走り”のための武器として昇華させた設計思想は、モータースポーツを愛するルノーの哲学そのものだ。グッドウッドの舞台で放たれる、沈黙の咆哮に期待したい。
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