間違いなくGT-Rはいまだ一線級のスーパースポーツだ
それだけに試乗してまず感じたのは、これまでの高い動力性能と運動性能が融合していた部分から生まれる、走りの解像度が高くなった感覚。操作に対するボディの反応や加減速、タイヤと路面の接地感などがいままで以上にクリアなものとしてドライバーの体に伝わってくるのである。
路面の荒れたところやバンプでの接地性が高い上に、ボディそのものを揺すらないように抑えが効いている。路面からの入力を上手くいなすため安定性の高さは相当のものだ。
しかしながら操作に対しては、間髪入れず気持ちよく反応を見せてくれて、これほどの大パワー/大トルクのクルマであるにも関わらず、全てがコントロール下に置かれているように感じさせてくれる点も優れている。
ただし、今回のニスモにとって、袖ヶ浦フォレストレースウェイはやや狭すぎるフィールドであることも間違いない。特にコーナーの曲率がGT-Rにとっては小さいところが多いので、2017年モデルと比べるとこのサーキットでは向きが変えづらく感じる場合もあった。特に以前はスロットルを抜いて向きを変えるようなシーンで、2020年モデルはしっかりと路面を捉え続け、リアもしっかりと踏ん張るため、小さなコーナーでは向きが変わりづらく思えたのだった。とはいえ、ベルリン郊外のDTMも開催されるような規模のサーキットの中速以上のコーナーでは、これ以上ないほどのコントローラブルな姿勢変化と操縦性を見せてくれたのだから、よりハイレベルな進化を遂げたといえる。
すでに12年が経過して古さを隠せない部分もあるが、それでも間違いなくGT-Rはいまだ一線級のスーパースポーツだった。