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【海外試乗】「メルセデス・ベンツ GLA」初のフルモデルチェンジを敢行。その出来映えは?

メルセデスの最小コンパクトSUVとなるGLAが初のフルモデルチェンジを敢行。ひとつ上のGLBが7シーターSUVとしてリリースされただけに、GLAはスタイリッシュで、より小さくよりキビキビ走るシティコミューターとして生まれ変わった。まずは、対面&試乗した第一印象をお届けしよう。

キビキビ走り小さくて使いやすい!

2013年に誕生したコンパクト・クロスオーバー、GLA(X156)はメルセデスSUVのエントリーモデルとして人気を博し、これまでに約100万台を販売。そして今年、2世代目(H247)へとバトンタッチされた。

GLA200は1.3LのM282型エンジンを搭載し、先んじて日本に導入されるGLA250はM260エンジンを積み込み、0→100km/h加速6.9秒、最高速度は240km/hを記録する。

すでにフォトデビューは済ませているものの、青空の下で見る実物の第一印象は、シルエットは兄貴分のGLCやGLEに近いSUVらしさが漂っていた。ボディサイズを調べてみると、全長は14mm短縮された4410mm。しかし全高は104mm伸びて1611mmとなり、全幅も30mm広がった1834mm。そしてホイールベースも30mm拡張された2729mmとなり、全体的には引き締まったシルエットを得たと言えるだろう。

エクステリアは、LEDヘッドライトが鋭角的に切れ上がり、ボンネットには2本のパワーバルジが並ぶ。さらにグリルは下方へ広がって力強さが強調されている。同時に、その下のバンパー左右のエアインテークは拡大され、ダイナミックな印象だ。リアは、これまでややオーバーサイズな印象を与えていたコンビネーションランプがこれも鋭角的に細長くなり、軽快な印象を与えている。前後のオーバーハングが短くなったサイドビューは、オプションの20インチタイヤと相まって、さらにスポーティさが際立っている。

新型GLAには3種類のガソリンと2種類のディーゼル仕様がラインナップ。163psと250Nmを発生するGLA200、225psと350Nmを発生するGLA250、そして306psと400Nmを発生するGLA35があり、それぞれには4マチック仕様も用意される。一方ディーゼルは150psと350NmのGLA200dと190psと380NmのGLA220dとなり、GLA220dには4マチックもラインナップする。

インターフェイスには最新メルセデス車ではおなじみMBUXが搭載され、音声によるコマンドや情報を得ることが可能。

日本市場で先陣を切る予定のモデルは、ガソリンのGLA2504マチックで、2L 4気筒エンジンを搭載し、8速DCTが組み合わされる。このモデルにはエディション・ワンと呼ばれる初回発売のリミッテッド・バージョンもあり、深いメタリックシルバーのボディにAMGホイールなどが装備され、インテリアにはカーボンアプリケーションが奢られたエクスクルーシブな仕様になっている。

荷室容量は通常時で435L、最大1430Lまで拡大する。

ドライバーズシートに腰をかけると、確かに旧型より高いポジションでこれまで以上にSUVムードを盛り上げる。ボディが短くなった印象はなく、フロントシートが14cmもアジャスト可能になったのでむしろ広く感じられるほどだ。

スターターボタンを押すとM260エンジンは即座に目覚め、さらにソフトウエアがアップグレードされた8速DCTによってスムーズでクイックな発進を開始。そのままアウトバーンの流れに乗り込むと、安定して快適なクルージングが楽めた。一方、山間路では見切りのよくなったドライビングポジションによって積極的なドライビングも可能だ。

LEDヘッドライトは従来型よりも逞しい印象へと変わり、エクステリアはGLBとの差別化が図られている。

新しいGLAは7シーターのGLBの登場で従来型より割り切ったサイズのボディを持っており、ドイツのコンパクトSUVの中ではもっとも短い。しかし実用性は失われてはいないどころか、むしろ街中ではキビキビとして使いやすい。
日本市場への導入は年内が予定されているが、今後の状況によっては来年にずれ込むかも知れない。

GLA250エディション・ワンは235/45R20のホイール&タイヤを装着。

フォト=ダイムラーAG/DAIMLER AG ルボラン2020年6月号より転載
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