Impression
170psと200psというハイパワーなTSIエンジンを搭載するだけに、ヴァリアントの走りはゴルフ・シリーズのなかにあっても相当にスポーティ。スポーツ・ワゴンと表現するのが相応しいほどのパフォーマンスを見せる。
2.0TSI Sportline “スポーツワゴン”と呼びたい
特にスポーツラインは、ゴルフでいえばGTIに匹敵する走りが望める。同じパワートレインを積むのだから当然といえば当然なのだが、その走りはワゴンボディであることを忘れさせるほど強烈。GTI比で60kgほどボディは重くなるが、200psのパワーはその差を感じさせない。重さよりもむしろ気になるのはボディの長さ。ヴァリアントはよりリア寄りに荷重が増える分、ハッチバックと比較して多少落ち着いたハンドリングに感じられるのだ。しかし、それでも引き締められたハードな足回りにより、コーナリングなどは十分すぎるほどシャープだが。
ゴルフGTIと共通のパワートレインを持つだけに、走りの印象はパワフル&シャープ。足回りも相当に引き締まっている。また、オートライト機能付きバイキセノンヘッドライトやタイヤ空気圧警告灯、フロントスポーツシート、スポーツサスペンション、17インチ・アルミホイールなど、上級グレードに位置づけられるに相応しい装備内容を持つ。
TSI Comfortline 実用性とスポーティさを両立
一方のコンフォートラインはというと、こちらも単独で乗ればかなりスポーティだが、スポーツラインと比較すれば、その名の通りコンフォートに感じられる。その走りは足回りも含めて適度にハードな印象で、スポーツラインがハードに過ぎると感じる人には、こちらの方がよりマッチするはずだ。とはいえ、170psを誇るTSIのパワーは必要にして十分以上。広大なラゲッジを荷物で満載しても、しっかりとハイアベレージで走ることを許容する余裕がある。
スポーツラインがGTIなら、コンフォートラインはゴルフGT TSIに相当するパワートレインと装備内容を持つ。足回りもスポーツラインほどハードではない分、荷物を載せたり、人を運ぶといった実用的な使い方には向いている。装備はキセノンライトやパドルシフトがレス、フロントシートはコンフォートシート、タイヤは16インチが標準となる。
スポーツワゴンが欲しいならスポーツライン、スポーティなワゴンが欲しいならコンフォートラインとなるゴルフ・ヴァリアント。だが、どちらを選んでも、ユーザーのスポーツ・マインドは確実に満たしてくれるはずだ。