伝統のレシピをブラッシュアップして、ノーブルタッチを加えたプジョーの今夏のイチオシ!
プジョーの4で始まるモデルといえば、唯名論的には1934年登場の401に遡る由緒正しいシリーズ。それが407を最後にDセグサルーンとして508に代わられ、実在論的に408は初代308ハッチバックのノッチバックセダン版として、中国やロシアや南米など2010年代前半に新興国で生産された。
ノッチバックといえば、観念論的に在りし日の205と309の関係も思い出される。とどのつまり、ハッチバックボディをベースにゲートではなくリッド開閉の荷室を付け足した、減価償却済みで実用性重視の3ボリュームが、従来的なノッチバックの作り方かつ在り様だった。
【写真7枚】車内インターフェイス&インフォテイメントは最新世代!
だからプジョーは今夏、この伝統のレシピをブラッシュアップして、ノーブルタッチを加えることにした。それがファストバックボディを、19〜20インチの大径タイヤでロードクリアランスごと持ち上げるシルエットが与えられたニュー408だ。
横アングルは同時期に発表されたシトロエンC4Xに似るが、クォーターウインドーからリアフェンダー、ドア、サイドプロテクターの趣はかなり異なる。当然ベースは新型308、プラットフォームはEMP2エボ3であり、車内インターフェイス&インフォテイメントは最新世代。
パワートレインは180psと225psという2種類のPHEVと3気筒ガソリンの130ps仕様のみでユーロ6.4対応、ディーゼルの用意はないそうだ。
カイエンとマカンに挟まれたカイエンクーペや、A8とA6の間にA7スポーツバックがあるように、上位セグメントでは馴染みの手法だが、CセグのハッチバックでクーペSUVと微妙にかぶらないあたりを狙うのがプジョーらしい。ラインナップ編成ディレクターを務めるジェローム・ミシュロン氏は、オンライン取材で「そうした車種と同じエフェクトを感じてもらえれば光栄だ」と述べた。
ちなみに408のホイールベースは2,787mm(欧州仕様値)と発表され、早晩上陸するであろう308SWの2,732mmより55mm、308ハッチバックより107mm長く、3008よりは5008に近い。また平時で531L、後席を畳んで最大1,611L(ICE仕様)という408の荷室容量は、ちょうど308SWのICEBREAKER未満・ハイブリッド以上の値ともなる。
ハッチバックにもワゴンにもセダンにもSUVでもにも飽きたのなら? ファストバックがあるじゃないか! というワケだ。