氷上や雪上の性能が向上し信頼性が明らかに高まった
X-ICE SNOW(以下Xアイス)は、ミシュランの主力スタッドレスタイヤだ。そのSUVモデルは車重などに対応した内部構造を備えるが、技術的な特長や性能はベースと変わりはない。
実際にアイス路面のテストコースを走行したところ、Xアイスは従来型のXアイス3+(以下3+)と比較して制動距離が短縮し再発進では加速性能の向上。さらに、ABSやTCRが作動する直前の状態が維持しやすいことも見逃せない。そのため、現実のアイス路では安全装備に頼らずに自らの操作で加減速時のグリップ力が維持できる領域が拡大する。
エバー・ウインター・グリップ・コンパウンドを新採用。不均一な凹凸を生成しエッジ効果でアイスの水膜を破りスノーでも雪踏み効果が向上。トレッドパターンとサイプも進化し初期性能が長く持続する。
また、スノー路面のテストコースではレクサスRX(従来型)にXアイスのSUVを履きコーナリング性能を確かめた。走り始めると、3+よりも食いつき感が明らかに高いことが伝わってくる。この点だけで、現実のスノー路での安心感は間違いなく向上する。
さらに、コーナリング性能の限界がXアイスは3+よりもかなり高い。ステアリングに与える舵角が大きくなると、3+は旋回のためのグリップ力が稼げなくなる。その際に切り足すと、グリップ力は逆に減少。Xアイスは、同じ舵角を与えてもグリップ力を維持し切り足すことでそれが増加。つまり、舵の奥行きが深いためステアリング操作の通りにコーナリングできる場面が多いわけだ。
サマータイヤ感覚のドライ性能、クロスクライメート2
別の機会に、オールシーズンタイヤのクロスクライメート2にも試乗。コンセプトは「雪も走れる夏タイヤ」となるり、従来型と比べるとドライ路面ウェット路面でのブレーキング性能とコーナリング性能が大幅に向上。スノー路面でも、信頼性の高い性能を発揮することも確認済みだ。そのため、非・準降雪地帯では履き替えがいらないオールシーズンタイヤの関心が高まっていることもあり市場に期待に応えるタイヤといえる。
「雪も走れる夏タイヤ」がコンセプト。スノーでの信頼性が高く、ウェットでは優れた排水性により水深のある路面に高速域で進入しても狙った走行ラインを維持。ドライでは、ステアリングの切り始めから正確な応答性を示しサマータイヤ感覚の操縦性を得ていることが特長だ。
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