このエッチングを折り曲げられるか!?
長らくお休みしてしまったが、ジャガーEタイプの続きだ。前回が8月だったので、勘定してみると、5ヶ月ぶりとなる。間が空いてしまって非常に申し訳ないところである。正月なので心を入れ替えて……ということで再開した訳だが、『トラック野郎』の方もあるので、どれだけ良いペースで進めていけるかは若干心許ない。とは言え、以前ほど頻繁にとはいかないとは思うが、続けていく予定なので、長い目で見ていただければ幸いだ。
【画像17枚】じわじわと真綿で首を締めるような作業の様子を見る!
さて、前回はボディ全体の雰囲気を見直してみたりなどしていたようだが、工作しているのは自分ながら、どうも繋がりが曖昧である。気持ちを入れ替えて再開する意味も込めて、今回は全く違う部分に手を付けてみることとした。タイトル画像でお分かりの通り、インパネである。これも写真から分かることと思うが、このキットはインパネがエッチングでできていて、それを折り曲げて作る仕組みとなっている。ベースの1枚だけでなく、メーター枠やスイッチ枠が別のエッチングで付き、それどころか、トグル式のスイッチもひとつひとつがエッチングになっているというコダワリぶりである。
このエッチングは、折り曲げる部分がスジボリ状に線が入っているのではなく、各面に厚みの差が付けられていて、それによって曲げるということになっている。これを上手く曲げることができるのか、それがどうにも不安であった。また、このインパネはクランク状に左右上下を折り曲げることとなるのだが、これも上手く加工することができるのか、さっぱり分からいままだったのである。途中の小さな面を保持できる、超極細のプライヤーがなければ無理なのではないか?
そこで、廉価版のキットにこのインパネのプラパーツがあるのをいいことに、そちらをメインに使ってエッチングを一部組み合わせる、というのもアリではないか……ということも考えていたのであった。たとえば、プラ製インパネのメーター部分を丸くくり抜き、その後ろにエッチングのメーターを取り付ける、という具合に。その方法が現実的なようにも思えたのだが、キットこだわりのパーツを最初から無碍にするのも気が咎める。しばし考えて、失敗したらその時は部分的に切り出して利用することとし、「とりあえずは曲げてみよう!」と決めたのであった。
達成感の中でふと気がついた微妙なポイント…
その工程は写真を見ていただくこととして、結果から言えばなんとか曲げ加工には成功したのである。上手くいった……! そんな風に達成感に浸ることしばし、ふとレベルのEタイプのインパネと見比べると、なんということであろう。形が違うのである。インパネ中央部は左右とは段差がついているのだが、上下は別に段にはなっていないのだ。驚いてエレールのパーツを見ると、こちらもレベルとほぼ同様の形である。一体これは……?
そこで実車の画像を確認してみると、やはりこれはレベルやエレールの方が正しいのであった。キットのような形のインパネもあるが、これはどうもシリーズ1 1/2以降のようだ。自動車雑誌の記述では大体「スイッチがタンブラー式になり……」などと書かれているものだが、こんな部分も変わっていたのである。3.8にしろ4.2にしろ、シリーズ1とするなら、このインパネの形では間違いということになる。
しかし、こんなことで挫けるような人間は、ハイテックモデルを作ってみようなどと考えてはいけないのだ。……と自分に鞭打って、私も対処法を考えた。エッチングを曲げ戻す、プラパーツを加工する、などというような、浮かんでは消えるアイデアを乗り越えて私がどこへ向かったのかは、次回をお楽しみに。