スカイラインと基本を共用、6気筒車を新設
この記事の公開日は2024年4月4日。今から52年前の今日――すなわち1972年4月4日に発売された名車をご存じであろうか? 日産ローレルの二代目モデル、C130型系である。
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セドリックとブルーバードの中間を埋める車種として、日産がローレルを発売したのは1968年3月11日のこと。当時の日産はこれをハイオーナーカーあるいはハイオーナーセダンと謳ったが、これはこの頃、未だセドリックは社用車や公用車の需要がメインであったため、オーナードライバー向けの乗用車として考えるとその上位に位置するもの、という意味の言葉であろう。ローレルは当初は4ドア・セダンのみであったが、1970年6月には2ドア・ハードトップを追加、そしてその約2年後にフルモデルチェンジとなった訳である。
このモデルチェンジにあたって主眼とされたのは、車体サイズの拡大や6気筒エンジン搭載車の設定、装備やバリエーションの拡充や、安全対策・公害対策の進化などであった。シリーズ全体の構成が4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの2本柱からなる点、そして営業用モデルがラインナップに存在しない点は、初代と同様だ。
セダンで195mm、ハードトップで175mm、それぞれ全長が延長されたボディは、そのサイズ感を活かし、「優雅でダイナミックな彫刻美」を盛り込んだスタイリングへと変化。ウェストラインがカーブを描く所謂コークボトルラインを採用、車体中央あたりで行き違いZ字を描くキャラクターラインが特徴だが、さらに2ドアは、当時のアメリカ車のようにテールランプをバンパーに埋め込むという独特の処理を取り入れていた。
よく知られている通り、シャシー周りはC110型系スカイラインとほぼ共用だが、ローレルのホイールベースは2670mmで、スカイライン(GT系)より60mm長くなっている。また、ローレルのほうが数ヶ月デビューが早い。サスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレ(ハードトップ)/リーフリジッド(セダン)。
エンジンに関しては、先述の通り新たに6気筒を搭載したのがポイントである。これは、セドリックやスカイラインですでにお馴染みであった直列6気筒OHC 2LのL20をローレルにも採用したもので、シングルキャブ仕様(最高出力115ps)とツインキャブ仕様(125ps、ハイオク仕様は130ps)の2種類があった。
4気筒の方は先代から引き継がれた直列4気筒OHCのG型で、1.8LのG18(105ps)と2LのG20(110ps)、およびそのツインキャブ仕様(120ps)の3種類。6気筒を合わせると、搭載エンジンは全5種類となる。これに組み合わせられるトランスミッションは、グレードに応じて3速、4速、5速のMTと、3速AT(ニッサンフルオートマチック)が存在した。
セダンとハードトップに各7グレード、全42種類のワイドバリエーション
グレード構成はセダンが下から1800デラックス、1800カスタム、2000カスタム、2000GL、2000カスタム-6、2000GX-6、2000SGLの7種類、ハードトップが下から1800デラックス、1800カスタム、2000カスタム、2000GX、2000カスタム-6、2000GL-6、2000SGXの7種類、これにそれぞれミッションの組み合わせが2~4種類あり、全42種のバリエーションとなる。
これらのグレードに若干の説明を加えておくと、まず、セダン1800デラックスにはシリーズ中唯一、前席ベンチシート/コラムATの組み合わせが存在。2000GXはG20ツインキャブ仕様を搭載したモデルでハードトップのみに設定。カスタム-6以上がL20搭載車で、セダン2000GX-6とハードトップ2000SGXにはツインキャブ仕様が組み合わされていた。
インパネはセダンが角型メーター、ハードトップが丸型メーターだが、セダンの中でGX-6だけは丸型メーターを採用。また、デラックスを除くハードトップ全車にタコメーターが装備されていたが、GX-6はセダン中唯一、タコメーターが装着されていた。
当時の価格はセダン1800デラックス(3速コラムMT)が72万円、同2000GL(4速MT)が85.5万円、同2000GX‐6(5速MT)が94万円、同2000SGL(3速AT)が100万円。ハードトップ1800カスタム(4速MT)が82.5万円、同2000GX(5速MT)が91.5万円、同2000SGX(5速MT)が105万円であった。