ミラフィオーリ工場で11月の生産開始へ向け準備中
フィアット「500(チンクエチェント)」の現行型4代目はこれまで電気自動車(EV)の「500e」のみ展開してきたが、トリノのミラフィオーリ工場では新型「500ハイブリッド」の生産に向けて準備が進められている。これまで充電環境の制約から新型500を諦めていたユーザーにとって朗報となりそうだ。
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500ハイブリッドの生産目標は年間10万台以上
かつて戦後イタリアの国民車として愛されたフィアットの2代目500(ヌォーヴァ・チンクエチェント)のイメージをそのままに、21世紀のコンパクトカーとして新生した3代目フィアット500は2007年にデビューし、世界的に大ヒットを博した。2024年に生産を終了して現在日本国内ではディーラー在庫のみで販売されている状況だ。いっぽう第4世代は2020年にEVの500eがデビューし、日本市場にも2022年に導入されている。従来の500のイメージを残しながらあらゆる要素をアップデートしている。
そして2025年5月12日、フィアットはトリノのミラフィオーリ工場において、新型500ハイブリッドのプリプロダクション(量産前)・ユニットの第1号を製造したと発表した。同工場での生産開始は11月を目標としており、フル稼働で年間10万台以上の生産を見込んでいる。さらに、その70%以上がイタリア国外に輸出されるという。
6速MT仕様もラインナップ
500ハイブリッドの外観は、まだ秘匿されているフロントグリル以外はEV版の500eとほぼ同じ。ハイブリッド・エンジンの詳細も明かされていないものの、今回公開されたプリプロダクション仕様のインテリアには6速MTのシフトノブを確認することができる。

日本においても、500eに魅力を感じながらも住環境や用途がBEVにマッチしないため購入を躊躇していたユーザーは多い。それは欧州市場でも同様で、フィアットとしてはICEからEVへの移行の架け橋として、500ハイブリッドに戦略上重要な位置づけを与えているようだ。
現時点では500ハイブリッドが日本に導入されるか否かのアナウンスはされていないものの、多くのファンが待ち望んでいることは間違いない。ル・ボランでは今後の動静に注目して、随時お伝えしていく。