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2025年6月14日(土)、富士スピードウェイではゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が主催するファン感謝イベント「CHEVROLET FAN DAY 2025(シボレー・ファンデイ)」が開催され、全国からオーナーとファンが集まって、シボレー・ブランドの世界観を心ゆくまで堪能。そしてこの日、GMジャパンの若松 格社長から、2つの新たなコルベットモデルの日本導入が発表された。究極のパフォーマンスモデル「コルベットZ06コンバーチブル」と、鮮烈なカラーをまとった限定車「コルベット・イエロージャケットエディション」である。
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ファンの情熱が富士を染めた「シボレー・ファンデイ 2025」
年に一度のシボレーの祭典「シボレー・ファンデイ」。会場となった富士スピードウェイには、新旧さまざまなシボレー車235台と、400名を超えるオーナー&ファンが全国から駆け付けた。その主役は、なんといっても歴代の「コルベット」と「カマロ」である。駐車場はさながらシボレーのモーターショーの様相を呈し、オーナーたちが愛情を込めて磨き上げた自慢の愛車がずらりと並んだ。
イベントのハイライトの一つが、オーナー自身の運転で国際レーシングコースを走行できる「パレードラン」だ。色とりどりのコルベットやカマロが隊列をなし、ホームストレートを埋め尽くす光景は圧巻の一言である。憧れのサーキットを走る喜びを分かち合うオーナーたちの顔には、満面の笑みが広がっていた。
さらに、プロドライバーの運転による「サーキットタクシー」も実施された。現行モデルであるC8型コルベットの助手席に乗り込み、プロのドライビングで富士スピードウェイのフルコースを体験できるこのプログラムには、長蛇の列ができた。普段は味わうことのできない異次元のスピードとGに、参加者からは驚きと興奮の声が上がっていた。
会場には車両展示も豊富に用意され、最新のコルベットやカマロに実際に触れ、乗り込むことができた。GMジャパンは、こうしたファンとの直接的な交流を通じて、シボレー・ブランドの魅力を伝え、ファンコミュニティを醸成することに力を入れている。今回のファンデイは、メーカーとファンとの強固な絆を再確認する場となったのである。
2つのコルベット新モデルがお披露目!「日本のファンのために」
今回のシボレー・ファンデイでは、日本に導入する新モデルのお披露目も行われた。GMジャパンの若松 格社長は、集まったファンへの感謝を述べた後、力強い口調でこう切り出した。
「今日は、この富士スピードウェイにお集まりいただいた、熱心な日本のシボレーファンの皆さまに、特別な発表があります」
若松社長のスピーチは、シボレー・ブランド、特にコルベットが持つ特別な意味合いを日本のファンと共有したいという熱い想いに満ちていた。
「コルベットは、いつの時代もシボレーのパフォーマンスとテクノロジーを象徴するフラッグシップです。そしてその最新・最強のモデルがZ06です」
その言葉とともに紹介されたのは、これまで日本市場には導入されていなかった「コルベットZ06コンバーチブル」だった。
「Z06の圧倒的なパフォーマンスは、すでにクーペモデルで証明されています。しかし、我々はその究極のドライビングプレジャーを、日本の空の下、オープンエアで存分に味わっていただきたいと考えました」
若松社長は、ただ単に車種を追加するのではなく、日本の道路環境や気候の中で、コンバーチブルモデルがもたらす唯一無二の体験価値を届けたいのだと強調した。サーキットで解き放たれるLT6エンジンの咆哮を、遮るものなく全身で浴びる快感。それは、コンバーチブルでしか味わえない、まさに至高の体験であろう。
さらにサプライズは続いた。
「そしてもう一つ、日本のコルベットファンのために特別な一台を用意しました」
そう言って発表されたのが、鮮やかなイエローをまとった限定車「コルベット・イエロージャケットエディション」である。若松社長は、この限定車が持つ希少性と、コルベットのスポーティな個性をさらに際立たせる特別なデザインについて触れ、「選ばれた方に、所有する喜びを深く感じていただけるモデルです」と語った。
サーキットの王者が空を手に入れた「コルベットZ06コンバーチブル」
今回、日本導入が正式に発表された「コルベットZ06コンバーチブル」は、Z06の持つ驚異的なパフォーマンスはそのままに、電動開閉式のハードトップを備えたモデルである。
心臓部に収まるのは、自然吸気量産V8エンジンとしては史上最強のスペックを誇る5.5L DOHC V8「LT6」エンジンだ。このエンジンの最大の特徴は、レーシングカーではおなじみの「フラットプレーンクランクシャフト」を採用している点にある。これにより、一般的なV8エンジンとは一線を画す、鋭く官能的なエキゾーストノートと、レッドゾーンである8600rpmまで一気に吹け上がる驚異的な高回転性能を実現した。そのスペックは、最高出力646ps/8550rpm、最大トルク623Nm/6300rpmという圧倒的なものだ。このパワーは、8速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪に伝えられ、ドライバーに究極のドライビング体験を提供する。
多くのコンバーチブルモデルが、ルーフの開閉機構を追加することによる重量増や、ボディ剛性の低下という課題を抱える。しかし、ミッドシップレイアウトを採用したC8型コルベットは、その基本骨格の設計段階からコンバーチブルモデルの存在が織り込まれていた。そのため、クーペモデルとコンバーチブルモデルでサスペンションのセッティングは共通であり、オープントップでありながら、クーペと寸分違わぬシャシー性能とハンドリング精度を維持しているのである。
電動開閉式ハードトップは、ボディ同色のコンポジット製で、走行中でも約48km/h(30mph)以下であれば、わずか16秒で開閉が可能だ。これにより、天候の急な変化にもスマートに対応できる。エンジンベイの上部にすっきりと格納されるルーフは、閉じた状態ではクーペと見紛うほどの流麗なシルエットを形成し、開ければミッドシップエンジンの存在感をさらに際立たせるスタイリングとなる。
コルベットZ06コンバーチブルの予約注文は、発表同日の2025年6月14日から全国のシボレー正規ディーラーで開始された。価格は2920万円(税込)で、納車は2026年初頭からを予定している。車両価格は未定とされているが、サーキットの申し子であるZ06のパフォーマンスを、日本の美しい四季の空の下で堪能できるという価値は、何物にも代えがたい魅力を持つはずだ。
鮮烈のイエローをまとう限定車「コルベット・イエロージャケットエディション」
Z06コンバーチブルの発表に続き、もう一つの目玉として披露されたのが、クーペとコンバーチブルで各15台、合計30台のみの日本市場限定車「コルベット・イエロージャケットエディション」である。
この限定車は、コルベットの「クーペ2LT」または「コンバーチブル3LT」をベースとし、その名の通り、蜂(スズメバチ)を彷彿とさせる鮮烈な専用ボディカラー「イエロージャケット」を最大の特徴としている。このイエローは、コルベットの持つアグレッシブで躍動的なフォルムを一層引き立てる。
さらに、エクステリアにはブラックのアクセントが随所に施され、イエローとの鮮やかなコントラストを生み出している。カーボンフラッシュメタリック塗装のドアミラーとリアスポイラー、そして5-オープンスポーク・カーボンフラッシュマシンドエッジ・アルミホイールが、足元を精悍に引き締める。
インテリアに目を向けると、ジェットブラックのシックな空間に、イエローのアクセントが効果的に配されている。GT2バケットシートや、専用のイエローシートベルトが、ドアを開けた瞬間にドライバーの高揚感を刺激する。細部にまで貫かれたカラーコーディネートは、限定車ならではの特別感を演出している。コルベット・イエロージャケットエディションのメーカー希望小売価格は、クーペ2LTが1575万円(税込)、コンバーチブル3LTが1945万円(税込)。2025年6月14日から販売を開始している。
新たな選択肢が広げるコルベットの世界
今回のシボレー・ファンデイ2025」で発表された2つのニューモデルは、日本のコルベット市場、ひいてはスーパースポーツカー市場全体にとって、極めて重要な意味を持つ。
Z06コンバーチブルは、これまでのC8型Z06が提供してきたパフォーマンス至上主義の世界に、「オープンエアの開放感」という新たな価値をもたらした。サーキットでの究極の速さと、海岸線やワインディングロードを駆け抜ける心地よさ。その両方を最高レベルで満たすこのモデルは、新たな顧客層の開拓にも繋がるはずだ。
一方、イエロージャケットエディションは、コルベットが持つ「自己表現のツール」としての側面を強くアピールするモデルである。人とは違う一台を所有したい、というエンスージアストの欲求を満たすこの限定車は、シボレー・ブランドの持つ遊び心と奥深さを示している。