
BEV専用モデルBMW「iX」に一部改良を実施
ビー・エム・ダブリュー株式会社は、同社の次世代電気自動車(EV)である「BMW iX」の新型モデル(一部改良)を発表し、全国のBMW正規ディーラーにて注文受付を開始した。納車は本年2025年11月からを予定している。今回の改良では、航続距離の延伸と動力性能の向上が図られ、特に「iX xDrive60」は一充電での走行距離がBMWモデル最長となる723kmに達し、Mパフォーマンス・モデルである「iX M70 xDrive」は、システムトータル最大トルクがBMWモデル最強となる1015Nm(ローンチ・コントロール作動時: 1100Nm)を実現している。
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内外装をブラッシュアップし、よりシャープな印象へ
BMW iXは、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)の力強いフォルムを礎に、コンセプト、デザイン、パワートレインの全てにおいてBMWが次世代を見据えて開発したモデルである。持続可能性(サステイナビリティ)を核に据え、電気モーターと大容量リチウムイオンバッテリーを搭載することで、長距離走行を可能としたピュアEVとして2021年に初代モデルが誕生した。
その革新性は市場で高く評価され、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、優れた10台のモデルに贈られる「10ベスト・カー」を受賞すると同時に、最も秀でた内外装デザインを持つクルマとして「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」の栄冠にも輝いている。
今回発表された新型モデルは、その高く評価された内外装デザインをさらに洗練させた。エクステリアは、新しいバンパーデザインや各所に効果的に採用されたブラックパーツが、より一層スポーティなイメージを際立たせている。また、縦型4灯のデイ・ランニング・ライトや、キドニーグリルをライトアップするBMWアイコニック・グローによって、大胆かつエレガントなフロントマスクは、よりシャープな印象へと昇華された。
インテリアにおいても進化は著しい。「iX xDrive60」に初めて採用されたMスポーツ・パッケージは、Mスポーツ・インテリアおよび新設計のMマルチファンクション・シートをもたらした。
このシートは、動物性素材を使用しないヴェガンザと上質なマイクロ・ファイバー素材を組み合わせ、サイドサポートを強化することでコーナリング時などのホールド感を向上させている。これにより、iXが持つ未来的なキャビンデザインに、新たなスポーティという要素が加わった。元来、電気自動車専用設計のアーキテクチャーによってセンタートンネルが存在せず、フラットなフロアが実現されていた室内は、特に後部座席において、まるで上質なラウンジのような解放感と居心地の良い空間を提供している。
動力性能も従来モデルより大幅に進化
動力性能の進化も、この新型モデルのハイライトである。「BMW iX xDrive60」は、前輪に最高出力258ps(190kW)、後輪に最高出力313ps(230kW)を発揮する電気モーターをそれぞれ搭載する4輪駆動モデルである。システム・トータルでの最高出力は544ps(400kW)、最大トルクは765Nmに達し、0-100km/h加速はわずか4.6秒(自社参考値)で駆けぬける。ボディ床下に収納されるリチウムイオン電池の総エネルギー量は111.5kWhであり、これにより一充電での走行距離は723kmという、実用性を大きく高める数値を実現した。
一方、Mの名を冠する「BMW iX M70 xDrive」は、そのパフォーマンスをさらに究極の領域へと高めている。前輪の電気モーターは最高出力258ps(190kW)と共通ながら、後輪には最高出力489ps(360kW)を誇る強力なモーターを搭載する。システム・トータルでは最高出力659ps(485kW)、最大トルクは1015Nmという圧倒的なスペックを誇り、ローンチ・コントロール作動時には最大トルクが1100Nmにまで増大する。
その結果、0-100km/h加速は3.8秒(自社参考値)という、スーパーカーに匹敵する俊足ぶりを発揮する。バッテリーの総エネルギー量は111.5kWhで、「iX xDrive60」と共通であり、これほどのハイパフォーマンスを発揮しながらも、一充電での走行距離は602kmを確保している。
もちろん、最先端の運転支援システムとコネクティビティも搭載されている。日本においてBMW社が初めて国土交通省からの認可を取得した、一定の条件下でステアリングから手を離しての走行が可能となる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は、ドライバーの運転負荷を軽減し、安全性に大きく寄与する。「OK, BMW」と呼びかけることで車両の操作や目的地の設定が可能なインテリジェント・パーソナル・アシスタントや、Apple CarPlayへの対応、スマートフォンで検索した目的地を車両に送信できるなど、利便性は飛躍的に向上した。
さらに、BMWデジタル・キー・プラスが標準装備となり、対応するスマートフォンやスマートウォッチを携行していれば、キーを持つことなく車両のロック解除からエンジンの始動までが可能となる。
車両本体価格(税込)は、「BMW iX xDrive60 M Sport」が14,980,000円、「BMW iX M70 xDrive」が19,660,000円。いずれも右ハンドル仕様となる。デザイン、走行性能、そして先進機能の全てにおいて大きな進化を遂げた新型BMW iXは、プレミアムSAVセグメントにおける電気自動車の新たなベンチマークを切り拓くだろう。
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