「歴代で最もクール」な予感。BMW次期1シリーズ「i1」にシューティングブレーク導入の噂
BMWのエントリーモデル「1シリーズ」が、大きな転換点を迎えようとしている。次期型におけるBEV(電気自動車)モデル「i1」に関し、従来のハッチバックとは一線を画す「シューティングブレーク」が設定されるのではないかという観測が高まっているのだ。公開された予想レンダリングCGをもとに、BMWの次世代コンパクトが目指す可能性について検証する。
【画像11枚】デジタルアーティストが描くBMW「i1」シューティングブレークの想像図を見る
BMWは現在、次世代のデザインコンセプトおよび車体構造である「ノイエクラッセ」を全モデルへ順次展開する戦略をとっている。iX3、i3セダン、そしてiX4クーペSUVへと続く変革の流れは、当然ながら1シリーズにも波及すると見るのが自然だ。
今回話題となっているレンダリングは、デジタルアーティストのSugar Designが制作したものだ。あくまで非公式な習作ではあるが、ノイエクラッセの構成要素と、新型iX3で示唆されたディテールを巧みに融合させている。
特筆すべきはフロントマスクの処理だ。iX3で採用されるコンパクトなグリルではなく、ノイエクラッセセダンで予告された「スリムなワイドグリル」を独自に採用。複数のライトユニットを統合する手法は、次世代BMWが目指す先進的かつクリーンな表情を的確に捉えた解釈と言えるだろう。
実用性と審美性の新たなバランス
この予想CGにおいて最も議論を呼ぶのは、そのボディ形状だ。延長されたルーフラインと大胆に傾斜したリアウィンドウの組み合わせは、実用車としてのハッチバックというより、明らかに「シューティングブレーク」の文法で描かれている。
積載性を最優先してリアエンドを垂直に立てるのではなく、あえて傾斜させるスタイリング。もしBMWがこの方向性を市販モデルに採用するとすれば、それはセグメントにおける実用性偏重の価値観に対し、エモーショナルな魅力で対抗しようとする意思表示とも受け取れる。
次期1シリーズに関しては、BEVの「i1」に加え、内燃機関モデルも並行して提供されるとの見方が有力だ。技術的な詳細は現時点では不透明だが、プラットフォームの一部にはMINIのコンポーネントが流用される可能性も指摘されている。
コンパクトクラスという激戦区において、BMWが「電動シューティングブレーク」というプレミアムな回答を用意するのか。この予想CGは、単なる移動手段に留まらない、次期1シリーズの新たな可能性を我々に予感させるものである。
【ル・ボラン編集部より】
現在、プレミアムCセグメントのBEV市場は、効率と居住性を重視したSUVクロスオーバーが席巻している。床下へのバッテリー搭載に伴い「背の高さ」が不可欠とされるトレンドの中で、BMWがあえてロースタイルのシューティングブレークを投入するなら、それは他社への強烈なアンチテーゼとなるだろう。実用性でSUVに分があるのは自明だが、のびやかで流麗なフォルムは、コモディティ化するEV市場に「色気」を取り戻す一手になり得る。居住性を多少犠牲にしてでも「駆けぬける歓び」と美しさを追求するのか。BMWのプレミアムブランドとしての舵取りに注目したい。
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