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【1月9日発売】三菱新型デリカD:5、451万円から。唯一無二の「最強ミニバン」はどう進化したか

新型 三菱デリカD:5

S-AWC搭載、内外装刷新。熟成のメカニズムと「ギア感」極めた新型の全貌

三菱自動車工業は、オールラウンドミニバン「デリカD:5」の大幅改良モデルを2026年1月9日より全国の系列販売会社を通じて販売開始すると発表した。メーカー希望小売価格は451万0000円から494万4500円(税込)となる。2025年10月の予約注文開始以来、その全貌が待たれていた新型モデルだが、正式な発売日決定とともにその詳細なスペックと魅力が改めて浮き彫りとなった。

【画像33枚】「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」を融合した新型デリカD:5・撮り下ろしギャラリー

「デリカらしさ」を純粋培養したエクステリアの深化

新型デリカD:5の実車を目の前にしてまず圧倒されるのは、その佇まいから放たれる、揺るぎない力強さだった。今回の改良において、フロントグリルおよびバンパーデザインは、シンプルでありながら立体感のある造形へと刷新された。それは単なる装飾の変更にとどまらず、デリカが本来持つ悪路走破性の高さを視覚的に表現した結果と言えるだろう。

サイドビューに目を移すと、新たに追加されたホイールアーチモールが存在感を放っている。これにより、ワイドで安定感のある足回りが強調され、SUVとしての逞しさがより一層際立つこととなった。足元を支える18インチアルミホイールも新デザインが採用され、力強さとギア感を高めた造形が、ボディ全体の印象を引き締めている。

リアセクションにおける変化も見逃せない。テールゲートのガーニッシュ内に「DELICA」のロゴを取り込むことで、パネル全体がよりシンプルかつプレミアム感のあるデザインへと昇華された。また、ボディカラーには、光の当たり方によってブルーのハイライトが浮かび上がる「ムーンストーングレーメタリック」と「ブラックマイカ」の2トーンカラーが新設定されており、ソリッドな色調の中に潜む上質な輝きが、新型のキャラクターを雄弁に物語っている。

ギア感とプレミアムが融合するコクピット

ドアを開け、運転席に乗り込むと、そこには先進性と機能美が融合した空間が広がっている。ドライバーの視界に飛び込んでくるのは、新たに採用された8インチカラー液晶メーターだ。視認性が大幅に向上したこのメーターは、走行中の様々な情報を的確にドライバーへ伝達し、操る楽しさを演出する。

インストルメントパネルには金属調のアクセントが施されており、先進的な印象を与えつつも、道具としての信頼感、すなわち「ギア感」と上質な「プレミアム感」を同時に高めることに成功している。センターパネルが傷つきに配慮したダークグレー仕上げとなっている点も、ハードな使用シーンを想定したデリカらしい配慮だ。

シート素材の選定にも抜かりはない。特別仕様車「CHAMONIX」で好評を博した、撥水機能付きのスエード調素材と合成皮革のコンビネーション生地が採用され、カーキ色のステッチが施されている。これは見た目の質感向上だけでなく、アウトドアシーンでの利便性を追求した機能的な選択である。さらに、センターコンソールとフロアコンソール下部にはUSB Type-Cポートが各2ポート追加され、現代のデジタルライフスタイルに対応した利便性の向上も図られている。

独自の四輪制御技術「S-AWC」がもたらす走りの進化

新型デリカD:5の核心は、その走行性能の進化にある。三菱自動車が誇る車両運動統合制御システム「S-AWC」が搭載されたことは、本モデルの最大のトピックの一つだ。S-AWCは、4WD、AYC(アクティブヨーコントロール)、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSを統合制御するシステムである。

具体的には、ドライバーの操作と車両状態をセンサーで検知し、前後の駆動力配分とブレーキ制御を決定する。そして、左右輪間の駆動・制動力を制御することで、あらゆる路面状況において高度な走破性と操縦安定性を実現する仕組みだ。実際にドライブモードセレクターを操作すると、「ECO」「NORMAL」「GRAVEL」「SNOW」という4つのモードが選択可能であり、街乗りから未舗装路、雪道に至るまで、状況に応じた最適な走りを手に入れることができる。

加えて、下り坂で車速を一定に保つヒルディセントコントロールも採用された。これにより、急な下り坂や滑りやすい路面でも、ドライバーはステアリング操作に集中することが可能となり、安心感が大きく向上している。パワートレインには熟成の2.2Lクリーンディーゼルエンジンと8速スポーツモードATが組み合わされ、パワフルかつ滑らかな走りは健在である。

全方位に強化された安全性と快適性

安全性能の強化も、ファミリーユースが多い本モデルにおいては重要な改良点だ。運転支援技術「三菱e-Assist」は機能向上が図られ、衝突被害軽減ブレーキシステムは新たに自転車の検知が可能となった。また、誤発進抑制機能は後退時のアクセル踏み間違いにも対応し、より広範な事故リスクを低減している。

駐車時の安心感を高める装備として、前後バンパーに搭載されたソナーが障害物の位置を知らせるパーキングセンサーが追加された。特筆すべきはマルチアラウンドモニターの進化である。カメラ画質が従来比で約3倍に高められたほか、移動物検知機能が採用され、周囲の安全確認が格段に行いやすくなった。

「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」をテーマに掲げ、2007年の発売以来、唯一無二の存在として市場を牽引してきたデリカD:5。今回の改良は、そのコンセプトを現代の技術で磨き上げ、よりタフで、より上質な相棒へと進化させたものである。2026年1月9日、新たな伝説の幕が上がる。

【ル・ボラン編集部より】

「唯一無二」という言葉がこれほど似合うクルマもない。デビューから19年目を迎え、ついにS-AWCの統合制御を得たデリカD:5は、まさに「完熟」の域に達した。重量級ミニバンにおいて、意のままの操縦性と悪路走破性を両立させる三菱の執念には脱帽する。内外装の質感向上や先進装備のアップデートは、現代の要求水準に合わせつつも、道具としての「ギア感」を損なわない絶妙なバランスだ。トレンドに迎合せず、己の信じる道を突き進むその姿に、多くのファンが共鳴するのも頷ける。

【画像33枚】「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」を融合した新型デリカD:5・撮り下ろしギャラリー

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
フォト=郡 大二郎/D. Kori

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