LE VOLANT モデルカー俱楽部

【モデラー必読】ボディ塗装を調色からクリアーまで緻密に解説! AMT製プラモ「2021ダッジ・チャージャーR/T」を作る・第2回【LE VOLANTモデルカー俱楽部】

外装色は「ヘルレーズン」に決定!

AMT製1/25スケール・プラモデル「2021ダッジ・チャージャーR/T」を作っていこうという当連載だが、今回は最初に、本連載第1回からかなりの時間が経ってしまったことをお詫びしたい。1回目ではパーツの仮組みや下地を整える作業を行ったが、今回は2回目として、ボディの下塗り(サーフェイサー)塗装から再開してみよう。

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美しい仕上がりは下地の時点から左右される

まず表面にサーフェイサーを塗る前に、ボディの裏側にインテリアのカラーを塗って乾燥させ、外から見える部分をマスキングテープでマスクしてしまう。これは私の最近の定番な工程で、ボディを塗装してから塗るより楽にインテリアを塗装することができる。

その後ボディ表面にサーフェイサーを吹く。使用するのはクレオスのサーフェイサー、1000と1200をブレンドしたものだ。ここで、ボディとエンジンフードの隙間が目立つことに気がついた。0.5mm厚のプラ板を短冊状に切り出し、エンジンフードの周囲に貼り付ける。フードの周囲を徐々に削りながらボディとすり合わせ、フードが自然な隙間でボディに収まるように調整した。

修正したフードは、もう一度サーフェイサーを塗って仕上げる。サーフェイサーが乾燥したら、表面をスムーズに整える。私はスポンジ研磨材の「マイクロファイン」を使っている。通常のペーパーヤスリの1200~1500番の粗さに相当し、曲面に馴染み易いので重宝している。

次に下塗りのグロスホワイトを塗る。ホワイトの下塗りは淡いボディカラーを塗る場合は必須であるが、私はメタリックカラーを塗る場合でも、下地にグロスホワイトを塗る。理由は、あくまで経験上のイメージではあるが、メタリックカラーとの「相性(乗り、食いつき)」が良いという印象があるからだ。

なお、濃い寒色(ブルーやグリーン系)のボディカラーでは、ホワイトではなくグレーを塗る場合もある。これは、凹部分やスジボリの奥の色むらを抑えるのに有効だ。

下塗りで注意したいのは、常に塗装面はスムーズにツヤを出しておくこと。最初の下塗りでツヤが出ていない状態では、表面は微細な凸凹になっている。これに塗り重ねていくと、凸凹は大きくなるだけで平らになることはない。

最終的にクリアコートと研ぎ出しでスムーズにすることは可能だが、塗装膜は厚くなり、場合によっては繊細なディテールを潰すことがある。シャープな塗装面を目標とするため、下塗りから仕上げのクリアーまで、薄く溶いた塗料を、流れない程度の量で、できるだけスムーズなツヤを保ちながら、何回も塗り重ねることを心がけている。

この連載で制作するキットは、2023年ニューツールでリリースされた1/25スケール「2021ダッジ・チャージャーR/T」、キット番号AMT1323M。2024年にはポリスカー仕様(AMT1324M)も発売された。R/Tとの違いは、ポリス仕様パーツ(ランプ類、プッシュバー、タイヤ/ホイールなど)はもちろんだが、フロントバンパーの形状がベースグレードの「SXT」になっている。また、そろそろ新バリエーションとしてヘルキャット仕様がリリースされる(予定では2025年12月下旬)。

メタリックカラーの塗装講座

さて、今回のダッジ・チャージャーのボディカラーは何にするか? 2021年のカタログを見てみると純正のボディカラーは13色あり、「HELLRAISIN」(カラーコード:PCD)というのを見つけた。深いメタリックのパープルである。かつてのダッジ・ハイインパクトカラー「PLUM CRAZY」を濃くしたイメージだ。

残念ながらカラーチップは入手できなかったので、ネット検索した画像からイメージを想像して調色してみた。使用したのは藤倉応用化工のアクセルカラーで、バイオレットとマゼンタを基調に少なめのシルバーを加えて、濃い目のメタリックに。実車の画像を確認しながら「イメージ優先」で調色してみた。

最後に補色としてイエローを微量加えた。私は、ボディカラーの調色の最後には、補色を加えることにしている。色の印象がとても自然に落ち着いて感じられるからだ。

完成したボディカラーを溶剤で2~3倍ほどに薄めて、4回ほどムラなく塗り重ねる。ここでも常にツヤが出るように塗る。メタリック塗装でのポイントは、メタリック(フレーク)を立たせること。

これも私のイメージであるが、メタリックカラーを塗る(スプレーする)とき、吐出量が少なくても色が塗れたように見えるが、表面にツヤが出ていない状態では、メタリックが「寝た」状態になっている。表面にツヤが出るまで吐出量を増すと、メタリックが立って色に深みが出る。これを数回に分けて薄く塗り重ねると、深みのあるメタリックに塗り上がる。

注意したいのは、一カ所に吹く「量」が多すぎると、塗装面の中でメタリックが「踊って」ムラになってしまう——メタリックが「踊り出す」直前で吹くのをやめることだ。試しにプラ板などにメタリックカラーを吹いてみて、どのくらいまで吹いたらメタリックが踊り出すか、実験してみることをお薦めする。上手くいくとメタリックの深みを十分に出すことができるだろう。

そして、最後に2~3倍に薄めたクリアーをオーバーコートする。1回目のクリアーは軽く薄く吹き、乾燥後に2回目を先ほどより多く吹いて、乾燥時間を長く取る。3回目はさらに厚く塗って、十分に乾燥させよう。

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畔蒜幸雄

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