コラム

メイヤーズ・マンクスの「適正空気圧」はどこにある? 4度目の車検を前に見直したいポイント【デューンバギー恍惚日記】第12回

マンクスの近況

【デューンバギー恍惚日記】第11回に続き、「メイヤーズ・マンクス」のストーリーをお届けしていこう。2017年末にレストア完了してから約8年、飽きもせずにこの浮世離れしたクルマを楽しんできたが、今年11月には4回目の車検を控えてもいるので、手を入れたい部分などを踏まえ、今後どのようにマンクスと付き合っていくかを考えてみたい。お付き合い頂ければ幸いです。

【画像17枚】全体からディテールまで、手を入れたい部分はどこでしょう?

マンクスのスタンスについて

以前のレポートでも触れたことがあるが、このマンクスは仕上がった当初、リアの車高が結構高く、後輪にはポジティブキャンバーが付いていた。このポジキャンは前進する折には是正されると想像していたが、ビートルと比較してボディの重量が極端に軽いせいか、走行時の動画で見ても、あまり変化がない。

オフロード前提ならサスペンションのストロークの観点からこの方がベターかも知れないが、自分のマンクスは基本的にストリート・バギーなので、見た目も含めて是正したいと思い、静止時にポジキャンが無くなるところまで車高を下げてもらった。車輌を真横から見ると現状は自然な姿勢であることがご理解いただけると思う。

筆者が所有する1969年式「メイヤーズ・マンクス」近影。2025年12月。

しかし近年、Meyers Manx, LLC社のSNSを見るにつけ、オフロード用タイヤを装着して、やや高めの車高でまとめられた仕様も気になり始めた。見た目というより「乗り味」に興味がある。そんなわけで車高に対する取り組みは一つの課題だと考えている。

エンジン周りについて

前回の車検(2024年末)の折に、エグゾースト・システム(マフラー含む)を新型に交換した。少なくともその時期まで、Meyers Manx, LLC社の公式HPには、クラシック(当時もの)やリマスタード(再版型)マンクス用のパーツを販売しているコーナーがあったので、自分もそのページからパーツを購入したわけだが、少し前に見てみたら、アパレルなどのマーチャンダイズ以外の通販ページが無くなっていた(車輌本体の販売ページはある)。

以前のパーツ・コーナーは、ロールバー、ウィンドシールド、ホイール、灯火類などのエクステリアが豊富で、エンジン周りだと前述マフラー以外にも、アルミ製バルブカバー、アンダーガード+リアバンパーなどもあり、この辺りは個人的にも興味ある部分だったが、現状入手の術は無くなった。

前回の車検(2024年末)の折に交換した、新型エグゾースト・システム(マフラー含む)。当時はMeyers Manx, LLC社の公式HPから直接購入できたが、現在はパーツのページが無い。

あくまでSNS上の動きから感じられることだが、最近の同社は完成車とEV版プロジェクトに傾注しており、パーツ類は基本的に完成車の為に生産した余剰分を時折少量のみ放出する姿勢なのではないか。

こうなると、マンクス専用のパーツ類については以前ほど入手が容易ではないので、EMPIやManx Club(ブルース・メイヤーズが創立したオーナーズ・クラブ)のHPやSNSにも注目していたいと思う。

フロント周りについて

フロント周りのことで言えば、以前から出来れば直したかったのはヘッドライトを一回り径の小さいものに交換すること。実は2017年にムーンアイズのショーで展示した折には小径のものを付けていた。それはシルバニア・ハロゲン製でサイズは丁度良かったのだが、カットが逆なので日本国内では使用できないゆえ、現在はコイト製のものを装着している。日本と同じく「自動車が左側通行」であるイギリス製で相応しいものがないか、探してみたいと思う。

マンクスを真正面から見たところ。軽い車重もあってフロントのディスク・ブレーキ化による制動力は抜群。安全面のみならず、ドライビングする楽しみにも大きく貢献してくれている。

あと足廻りについて。最近知ったことだが、Meyers Manx, LLC社のリマスタード(復刻版)マンクスもフロントは基本的にディスク・ブレーキ化して販売されているようだ。自分のマンクスはホイールのチョイスを踏まえてディスク化した経緯ゆえ、元よりその性能には期待していなかったが、実際のところその制動力は抜群なので、同好の士にはお勧めしたいポイントである。

タイヤについて

前回も書いたことだが、今自分が最も気にかけているのはタイヤの空気圧についてである。山口京一さんが1960年代半ばのCG誌記事でレポートなさったマンクスの通常時空気圧(クロスプライ・タイヤ)は、通常時「前0.8:後1.1」である。

自分のマンクスはフロントが「アウトバーン製バイアスルック・ラジアル」、リアが「グッドイヤー・ポリグラスGT(Coker製・復刻版クロスプライ)」だが、自分はこれまで“なんとなく”で前後共2.0程度にしていた。これは上述の数字と比べていかにも高過ぎる。

フロントは細いなりに完全にラジアルだし、リアのポリグラスは構造的にカーカスがクロスプライだが、トレッド直下にファイバー製ベルトが巻かれている点はラジアルに近い。総じて前後ラジアルと考えて、0.2ぐらいずつ高く見積もっても、自分のマンクスは「前1.0:後1.3」程度が適正空気圧ということになる。

リアに履いている「グッドイヤー・ポリグラスGT(Coker製・復刻版クロスプライ)」タイヤ。これまで空気圧が高過ぎたようなので、早急に是正してフィーリングの変化をお伝えしたい。

実は、気になりだしてからすぐにリアタイヤのトレッドをチェックしてみたら、案の定センター部の磨耗がやや目立つ。明らかに高過ぎた空気圧に起因するものだろう。熟考して慎重に改善したい。

なお、念のために強調しておくが、「前1.0:後1.3」という数字は、現代の一般的な車輌ではあり得ない数字だし、とりわけ安全性に強く関わる部分なので、この記事をご覧の皆さんは、決してこの数値を試したりしないでくださいね!

先立つものがあれば……

見出しのとおり、先立つものがあれば、直してみたい部分として最初に思いつくのはワイパーとウィンカー(ターンシグナル)レバー。現状のワイパーはおそらく古いタイプ2用と思しきクラシックで細いタイプが付いているが、ブレードがグラス面をうまく拭うように調整するのがなかなか難しい。もう少し現代的で構造的に堅牢な代替品がないか探してみたい。

ウィンカーレバーはリターンが無い点にはすっかり慣れたが、これも構造的に脆弱な面があるので検討したいところ。

あとは一昨年に走行中に破断したクラッチワイヤーについて。マンクスはショートホイールベースゆえ、交換時にはビートル用ワイヤーを短く加工する必要があるので、あらかじめ専用に加工されたタイプを入手して車載しておくこと。

ボルト+ナットで固定されているリアシートを外さないとバッテリーにアクセスできないので、室内側にキルスイッチを設置したのは正解だった。スイッチの上は新車時からのプレート。

現状リアシートを外さないとアクセスできないバッテリーのメンテナンスもそろそろ行いたい。これについては車内側にキルスイッチを付けておいて本当に良かったと思うが、このスイッチ自体の状態にもそろそろ注意したいところ。

車検を控えながら走る2026年、今年もよろしくお願いします!

【画像17枚】全体からディテールまで、手を入れたい部分はどこでしょう?

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山田剛久

AUTHOR

1962年、富山県生まれ。約20年の出版社勤務を経てフリーに。自動車、模型、モータースポーツ関連のニッチ記事専門ライター兼編集者として、ごく稀に重宝される。ホットロッド/カスタム、1930〜’70年代の内外モータースポーツ、古い自動車模型や玩具が専門分野。「多摩川スピードウェイの会」会員。

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