コラム

「自宅に充電器がない」は無謀か? キャデラック・リリックで90kWを求めて彷徨う“EVノマド”の現実【渡辺慎太郎のツベコベイワセテ その3】《LE VOLANT LAB》

キャデラックの最新BEV「リリック」で年末年始を過ごしてみた

訳あって、2025年から2026年の年末年始をキャデラック・リリックと共に過ごした。リリックは電気自動車(EV)で、でも我が家は賃貸駐車場だから充電設備がない。つまり約2週間、充電が必要になれば充電器を探して走るという“EVノマド生活”を体験した。

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実は、EVノマド生活には少し興味があった。聞くところによると、MINIのEV(MINIクーパーE/MINIエースマンE/MINIカントリーマンE)を購入したオーナーの半数以上は、自宅に充電設備がないという。自宅に充電設備がないのにEVを買うなんてあり得ないと思っていた自分からすると、「そんなことが本当に可能なのか?」という疑問をずっと抱いていた。だから今回の機会は、それを自ら実証試験するにはもってこいだと思ったのである。

貴重な30分のために「90kW」を探せ

最初にやったのは、近所の充電設備の探索である。ポイントは、急速充電器で出力ができるだけ大きいこと。急速充電器は基本的に30分/1回で、使用時間によって課金される場合がほとんどなので、だったらできるだけ出力の大きな充電器を使ったほうがお得だし、何より貴重な30分でバッテリー残量を少しでも多く回復したいからだ。

残念ながら我が家の周りの急速充電器のほとんどがいまだに50kWだった。最新のEVだと300kWの充電器にも対応できるというのに、これがまだ日本の現実である。そんな中、片道10分弱のところに90kWの充電器があった。日産ディーラーである。どこよりも早くEVの量産化に乗り出したメーカーだけあって、日産の充電設備は素晴らしい。期間中、3ヵ所の日産ディーラーにお世話になったが、いずれも90kW、24時間オープンだった。自宅から一番近いディーラーは徒歩5分のレクサスだが、そこの充電器は50kWで店舗営業時間内しか使えなかった。

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フォト=郡大二郎 D.Kori

AUTHOR

1966年東京生まれ。米国の大学を卒業後(株)立風書房に入社、ル・ボラン編集部に配属となる。後に転職してカーグラフィック編集記者、カーグラフィック編集長などを歴任。現在はフリーランスの自動車ジャーナリストとして活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。英国「The Guild of Motoring Writers」会員。

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