150台のプロトタイプが臨む最終調整
ジャガーは2026年2月2日、投入予定の電気自動車(BEV)、新型ラグジュアリー4ドアGTのプロトタイプによる冬季テストをスウェーデン・アリエプローグで開始したと発表した。
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史上最大規模の開発プログラム
今回のテストは、ジャガー史上最も包括的かつ厳格な開発プログラムの一環として実施されているという。150台ものプロトタイプが投入され、灼熱の砂漠から凍結した湖、さらには高度なバーチャル環境に至るまで、数十万マイルに及ぶ走行テストを実施するというのだ。
2026年後半の世界初公開に向け、マイナス40度という極寒環境下で、推進システムやシャシー技術の最終調整が進められているこのテストでは、エンジニアたちが電気によるドライブシステムやシャシー制御のキャリブレーションを行い、ドライブモードの特性を洗練させているとのこと。これらは、直感的なレスポンスと快適性を両立させ、ジャガーならではのダイナミクスを実現するための重要なプロセスとなるとされている。
1000psを超える圧倒的なパフォーマンス
新型4ドアGTは、最高出力1000psオーバー、ジャガー史上最もパワフルなロードカーとなる見通しだ。パワートレインには、インテリジェント・トルクベクタリングを搭載した4輪駆動トライモータ・テクノロジーを採用。これにより、迅速かつ正確なパワー配分が可能となり、あらゆる路面状況で自信あふれるドライビングを実現するとしている。
また、足回りには専用設計の新型23インチ・ウィンタータイヤ、ダイナミックエアサスペンション、アクティブツインバルブダンパー、オールホイールステアリングなどを装備。エンジニアはこれらのコンポーネントが推進トルク制御と調和するよう、最高水準の安定感と乗り心地を目指して調整を行っているとのことである。
革新的な熱管理システム「ThermAssist」
EVの課題とされる寒冷地での性能確保のため、新型車には先進テクノロジー「ThermAssist(サームアシスト)」が導入された。この車載熱管理システムは、熱消費量を最大40%削減するほか、外気温がマイナス10度まで低下しても熱を回収することが可能だという。回収した熱を推進システムや車内の暖房に利用することで、極寒環境下における航続距離の最大化を図っている。
また、新型4ドアGTのデザインは、先日公開されたコンセプトモデル「TYPE 00」で示された哲学「Exuberant Modernist(活気あふれるモダニズム)」を継承していると言って良いだろう。これはカモフラージュの施された姿からも窺うことができる。
大きく前進する技術的野心
ジャガー・ランドローバーのビークル・エンジニアリング・ディレクター、マット・ベッカー氏は、開発状況について次のように述べている。
「ジャガーは常にドライビングプレジャーを追求してきました。新生ジャガーが送り出すBEVである新型4ドアGTも例外ではなく、当社の技術的な野心を大きく前進させるものになるでしょう。真のジャガーであり、いつでも快適で、運転が楽しめるクルマです。さらに、1000psを超える余裕のパワーも発揮します」
また、ジャガー担当マネージング・ディレクターのロードン・グローバー氏は以下のようにコメントした。
「私たちは創業時からジャガーらしいドライビングエクスペリエンスを提供することを目指してきました。新生ジャガーにおいても、見た目はもちろん、運転する喜びを両立させた、誰もが憧れる魅力的なクルマを作り上げます」
【ル・ボラン編集部より】
創業者の箴言「Copy Nothing(なにものの模倣もしない)」を掲げ、ブランドの完全な再定義に挑む新生ジャガー。その先兵となる4ドアGTが、極寒のアリエプローグで産声を上げた。1000psという怪力ぶりもさることながら、真に注視すべきは、その「足」だ。重量級のBEVにおいて、ジャガー伝統のしなやかさと、路面を掴む野性味をどう共存させるのか。かつてI-PACEで証明した「EVでもジャガーはジャガー」という事実を、より濃密な次元で昇華してくれることに期待したい。単なる移動体ではない、魂を震わすGTの完成を待つ。
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