


















新聖地・メミンゲンで始まる「限界突破」
BMWは、新たなパフォーマンス体験のプラットフォームとなる「AREA M」を2026年2月3日より始動させた。これに伴い、ドイツ・マイザッハに加え、同メミンゲン(バイエルン州)が新たな拠点として加わり、より国際的な展開が図られることとなった。
【画像19枚】BMW Mが本気で作った大人の遊び場「AREA M」の全貌を窺う!
ドライバートレーニングからブランド体験へ
BMWはAREA Mについて、従来の「BMW Mドライビング・エクスペリエンス」のような古典的ドライバートレーニングから、その枠を超えた多面的なアプローチへの移行であるとしている。単なる運転技術の習得にとどまらず、ブランド愛好家が集い、BMW Mのパフォーマンスやマインドセットを五感で体感できる「究極の体験空間」と位置づけている。
この新名称は、ハイパフォーマンス・ブランドであるBMW M、肉体的・感情的な限界を探求する実験の場、この両者を繋ぐ架け橋としての機能を意図したものである。オーナー、ファン、スリルを求める層など、多様な背景を持つ人々が卓越性を追求し、スキルを磨くための環境が整備されており、BMWはここを車内体験以上の価値を提供する「精神的なホーム」にしたい考えだ。
ターゲットは「Gen M(ジェネレーションM)」に加え、ゲーマーや車愛好家、初心者からプロフェッショナルまで、年齢・性別を問わず幅広く設定されている。
デジタルとの融合とゲーミフィケーションの導入
今回の刷新に合わせ、ウェブサイトもリニューアルされた。「エクスペリエンス・ファインダー」の導入により、既存ファンや新規ビジターが目的のプログラムを容易に検索できる環境が整えられたのである。
特筆すべきは、ポートフォリオに「ゲーミフィケーション」の要素が取り入れられた点だ。メミンゲン限定のプログラム「ゲーム・オブ・ドリフト(Games of Drift)」では、専用に改良されたM2ドリフト車両を用いた走行体験が提供される。参加者は互いに競い合い、その順位はウェブサイト上のライブスコアボードで可視化される仕組みだ。成績上位の9名は10月17日に開催される決勝へ進出し、賞品を懸けて競うことになる。
また、スウェーデン・アリエプログでの「アイス・プロ・エクスペリエンス」や、パフォーマンス志向の女性をターゲットとした「Mスノー・アクティブ」など、新たな層の獲得を狙った特別イベントも展開される。
新拠点メミンゲンの設備概要
新たに加わったメミンゲンはマイザッハ同様、ダイナミックな走行に適した条件を備えている。施設内には7つのウェット・スキッドパッド、3つのドリフト・サークル、4つのダイナミック・エリアに加え、ハンドリングおよびスラローム・ゾーンが設置されており、多様なプログラムに対応可能となっている。
ラウンジや会議室、ケータリング設備も完備し、コミュニティが集う物理的な拠点としての機能も果たす。施設全体を通して、ハイパフォーマンスやエネルギーといったブランドの主張を体現する空間作りがなされていると言えるだろう。
カテゴリーの再編と明確化
顧客の要望を反映し、ポートフォリオの構造も整理された。従来は複雑であった予約オプションが見直され、デジタルプラットフォーム上では「ウィンター(Winter)」「トラック(Track)」「スリル(Thrill)」「カスタム(Custom)」「コントロール(Control)」の5カテゴリーに分類。
さらにレベル設定も「コンパクト(Compact)」から「マックス(Max)」までの5段階に定義され、ユーザーが自身に適したプログラムを選びやすい構成となっている。プログラム面では、エントリー向けの「BMW Mスターター」が継続されるほか、2025年に人気を博し11月からメミンゲンへ移転した「BMW Mドリフト・アカデミー」も引き続き提供される。
競技型プログラム「ゲーム・オブ・ドリフト」の詳細
AREA Mの革新性を象徴するのが、メミンゲン独占プログラムの「ゲーム・オブ・ドリフト」である。これはゲーム性と競技性を備えたものであり、ファンであれば何度でも予約が可能だ。参加者は正確性や器用さ、持久力を競い合う。
具体的な課題としては、指定されたドリフト・スパイラルの走行、ドリフト中にターゲットへリングを投げ入れる「リング・ドロップ」、ドリフトしながらコースを迅速かつ正確に走破する「ジムカーナ」などが用意されている。全参加者のスコアとランキングがウェブサイトで公開される点が特徴的である。
使用車両のBMW M2クーペには、競技用に特別な技術的適応が施されている。ステアリングアングルの拡大、後輪のロック機能、専用ソフトウェアを搭載したリアアクスル・ディファレンシャルなどにより、再現性の高いドリフトが可能となっている。
予選を勝ち抜いた上位9名のドライバーは2026年10月17日の決勝へ進出する。残り1枠はプロのレッドブル・ドリフト・ブラザーズによるワイルドカード指名枠となり、決勝では彼らが審査員を務める中で賞品が争われるという。
【ル・ボラン編集部より】
BMW Mの真価は、単なる速さではなく、クルマとの対話の濃密さにある。今回の「AREA M」始動は、技術を研鑽する場から、バイエルンの魂が宿るMの流儀を五感で共有する聖地への再定義と言える。特筆すべきはM2を用いた「ゲーム・オブ・ドリフト」だ。緻密な制御と大胆な挙動が共存するMの哲学が、デジタルと融合し新たな次元へ昇華している。正直なところ、伝統的な鍛錬を重んじる層には娯楽性が強く映るかもしれない。だが、限界領域でクルマを支配する歓びは不変だ。これこそが、次世代へ情熱を繋ぐ新たな場となるだろう。
【画像19枚】BMW Mが本気で作った大人の遊び場「AREA M」の全貌を窺う!

