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BMW Mモータースポーツは2026年3月16日、BMW M3ツーリングのレーシングバージョンである「BMW M3 Touring(ツーリング)24H」を2026年のニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)に参戦させると発表した。
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「緑の地獄」で実戦デビュー
同レースは5月16日および17日にニュルブルクリンクの北コース、通称「グリーンヘル(緑の地獄)」で開催される予定であり、同車はその活躍によって観客の目を引く大きな目玉となることが予想される。
BMW Mモータースポーツ内では、2022年の市販版BMW M3ツーリング発売直後から、レーシングバージョン開発の構想が練られていた。そのアイデアを具体的な計画へと押し上げたのは、なんとエイプリルフールの企画であった。
2025年4月1日、同社がソーシャルメディア上で「開発中」とされるBMW M3ツーリングGTレースカーの画像を投稿したところ、ファンやメディアから圧倒的な反響が寄せられたのである。投稿は100万人以上のユーザーにリーチし、160万回以上の閲覧数を記録。エンゲージメントは同社の通常投稿の何倍にも達したという。
この反響を受け2025年夏には計画が具体化。エンジニアたちはわずか8ヶ月でBMW M3 Touring 24Hを作り上げた。同車はBMW M4 GT3 EVOと技術的基盤を共有しつつ、BMW M3ツーリングの基本ボディから派生して製造されている。M4 GT3 EVOと比較すると全長が200mm長く、リアウィングを含めた全高は32mm高いが、両車の技術データは同一である。
また、ファンとの繋がりを重視する同社らしく、準備レース用の車両には4月1日の投稿に寄せられたコメントをあしらった特別デザインが採用されている。24時間レース本戦では、さらに別の特別なカラーリングが施される予定だ。
車両はシューベルト・モータースポーツからエントリーし、イェンス・クリングマン、ウゴ・デ・ウィルデ(ベルギー)、コナー・デ・フィリッピ、ニール・フェルハーゲン(ともに米国)の4名のBMW Mワークスドライバーがステアリングを握る。参戦クラスはSPXとなるため、最高峰のSP9カテゴリーで総合優勝を争う3台のBMW M4 GT3 EVOとは直接競合しない。
本戦に向けた準備は、NLS第2戦およびニュルブルクリンク24時間予選レースで行われる。なお、タイヤは同チームの77号車BMW M4 GT3 EVOと同様に、公式パートナーであるヨコハマタイヤを装着する。
盛り上がる関係者のコメント
プロジェクトに際し、関係者らは次のようにコメントを寄せている。まず、ヨコハマタイヤ(横浜ゴム) コンシューマータイヤ製品企画・マーケティング部副部長 の大前孝義氏は、次のように述べた。
「この特別なプログラムにおいて、公式タイヤパートナーとしてBMW Mモータースポーツと提携できることを大変光栄に思います。このコラボレーションは、ヨコハマのモータースポーツの歴史において歴史的なマイルストーンとなるものであり、ニュルブルクリンク24時間レースへの参加は、我々を計り知れない誇りと期待で満たしてくれます」
「先見の明のあるエンジニアリングと揺るぎない競争精神によって定義されるグローバル・プレミアム・ブランドであるBMW Mモータースポーツとともに、ヨコハマは卓越性という共通の追求を原動力として、ノルドシュライフェで可能なことの限界を押し広げることを楽しみにしています」
BMW Mモータースポーツ責任者であるアンドレアス・ルース氏のコメントは以下の通りである。
「BMW M3ツーリング 24Hのようなプロジェクトは、これまでBMW Mモータースポーツには存在しませんでした。このユニークな車両に心血を注ぎ、命を吹き込んでくれたすべての人に心から感謝します。私はとても興奮していますし、同時に、私たちの第2の故郷であるニュルブルクリンクで、かつてないほど私たちを身近に感じてくれているファンの皆様にも、同じように興奮していただけると確信しています」
また、BMW Mワークスドライバーのイェンス・クリングマン選手はこのように述べ、興奮を隠さない。
「これは本当にユニークなプロジェクトであり、その一員になれたことを大変嬉しく思います。エイプリルフールのジョークに対するファンの反響をきっかけに、実際にBMW M3 Touring 24Hを現実のものとしたことは、私たちのコミュニティとの近さや、モータースポーツに対する情熱を物語っています」
「はっきりと言っておかなければならないのは、この車はエイプリルフールのジョークとして始まったかもしれませんが、今や絶対的にトップクラスの競争力を持つレースカーになったということです。私たちの目標は、ニュルブルクリンクの観客に素晴らしいショーを披露し、できるだけ上位でレースをフィニッシュすることです。私たちはトップの成績を残せると確信しています」
【ル・ボラン編集部より】
エイプリルフールの冗談から生まれたという痛快な逸話だが、単なるお祭り騒ぎと侮るべきではない。M3はツーリング化に伴うリア周りのボディ強化によって後輪荷重が増し、セダン以上にFRらしい強靭なトラクションを獲得しているのだ。あえて実用車の象徴たるワゴンボディを「緑の地獄」へ送り込む背景には、日常と非日常の境界を消し去るMブランドの哲学が透けて見える。GT3の技術とワゴンの特異なシルエットが、ニュルでどのような化学反応を起こすのか見届けたい。
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