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メルセデス・ベンツは2026年3月31日、フラッグシップSUV「GLS」の改良新型モデルを発表した。「SUVのSクラス」と位置づけられる同モデルには今回、内外装のデザイン刷新、パワートレインの改良、そして最新のデジタル技術の導入が行われたかたちである。
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存在感を強調したフロントフェイス
メルセデス・ベンツは新型GLSの提供する価値について、ドアが閉まり、安全性と静寂の空間が広がる瞬間、独特の「我が家へ帰ってきた」という安心感が体験できるモデルだと説明している。
エクステリアの主な変更点としては、フロントグリルの大型化が挙げられるだろう。クロームのフレームと輪郭照明が備わり、ステータス性を強調するデザインとなっている。さらに、Sクラスの伝統的なアイコンである、ボンネット上の「スリーポインテッドスター」も採用され、一部の市場(中国や米国)に向けてはイルミネーション機能も搭載される。
また新型GLSには、マイクロLEDテクノロジー(「ピクセル化LED」)と強力なチップを備えた新世代のデジタルライトが標準装備されている。これにより、高解像度の照射領域が約40%拡大、ハイビームや路面投影の明るさもそれに応じて向上したという。同時に、ライトモジュールの消費エネルギーは従来型と比較して最大50%削減されたとのこと。
MBUXスーパースクリーンを標準化
インテリアでは、ダッシュボード全体を覆う「MBUXスーパースクリーン」が標準装備となった。3つの大型ディスプレイが1枚のガラス面の下に統合されており、助手席側のディスプレイでは動画ストリーミングなどのコンテンツ視聴が走行中でも可能である。
システム面では、AIを活用したスーパーコンピューター「MB.OS」が搭載され、複雑な対話が可能な「MBUXバーチャルアシスタント」が導入された。システムはOver-the-Air(OTA)アップデートに対応しており、車両のソフトウェアを長期間にわたって最新の状態に保つことができるという。
また、後席の居住性にも向上が図られている。「リアコンフォートパッケージ・プラス」を選択した場合、2つの後席用ディスプレイ(11.6インチ)や取り外し可能なリモートコントロールが装備され、マッサージ機能や空調の最適化により、移動中の休息や作業環境をサポートする仕様となっている。
さらに、全モデルにパノラマ・スライディングルーフを標準装備。1㎡を超える透明面積を持つこのルーフは、量産SUVにおいて同種のルーフとしては最大級とのこと。前半は電動で持ち上がり、後部固定ガラスルーフの上を大きくスライド。このガラスルーフにより、オプションの3列目を含むすべてのシートから空を眺めることができる 。
マイルドハイブリッド化で効率とレスポンスを向上
新しいエンジンラインナップでは、全モデルに48Vのインテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)が搭載され、マイルドハイブリッド化された。これにより、アイドリングストップからの復帰や発進時のレスポンスが向上し、燃費効率の改善が図られている。
V8エンジンを搭載するトップモデルのGLS580 4MATICでは、最高出力が380kW(517ps)から395kW(537ps)に、最大トルクは730Nmから750Nmに向上。さらに、フラットプレーンクランクシャフトの採用などによって、将来の排出ガス規制にも対応している。一方、ディーゼルモデルには電動ヒーター付き触媒コンバーターが初採用され、排気浄化性能の最適化が図られた。
AIRMATIC標準装備と最新世代MB.DRIVE導入
乗り心地の面では、「AIRMATIC」エアサスペンションが標準装備され、新たにクラウドベースのダンパー制御が導入された。これにより、人工的な段差(スピードバンプ)などを通過する際、前走車のデータ(Car-to-X情報)を利用して車両が事前に状況を予測し、ダンピングを自動調整することで、特に後席の快適性が向上するという。オプションの「E-ACTIVE BODY CONTROL」を装備した場合は、各輪のサスペンションを個別に制御し、車体の揺れを抑え、さらにフラットな乗り心地を提供するとのこと。
運転支援機能も最新世代の「MB.DRIVE」へとアップデートされた。10台のカメラと最大5つのレーダー、12の超音波センサーを用いて周囲を精緻に把握し、自動駐車機能の作動速度も向上(最大5km/h)。リバースアシスト機能なども提供される。
【ル・ボラン編集部より】
「SUVのSクラス」という呼称は伊達ではない。かつて従来型がモロッコの荒野で示したのは、過酷な路面すら受け流す鷹揚な乗り心地だった。新型は「スーパースクリーン」やAI制御のダンパーを纏い、デジタルラウンジとしての性格を強めている。一見過剰な装備に思えるが、これは巨体を制し、乗員に絶対的な安心感を提供するための論理的帰結である。テクノロジーが進化しようとも、ドアを閉めた瞬間に外界と隔絶される「我が家」としての哲学は揺るがない。矛盾を抱擁するメルセデスの神髄がここにある。
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